教育福島0205号(1997年(H09)09月)-032page
年生と職員で、日立テレコムテクノロジーと授産センター緑豊園、花かつみ豊心園を見学した。
各見学場所では、製品ができるまでを見学し、生徒たちは、オートメーション化された機械や職場の人たちが椅子に座らずに立って仕事をしていたことに関心を示していた。
以上のような試みを通し、地域の人々に障害者に対する理解を深めていくことは、今後の進路指導の充実のために必要不可欠である。
今年度は、職員中心の企画ではなく、実行委員会を通して、保護者、生徒も企画・運営に携わり、より充実したものにしていきたいと考えている。
2 会津養護学校の実践
「現場実習・校内実習見学会、事業主・協力校・保護者等の授業参観・懇談会を通して」
本校は、「現場実習・校内実習を通して生徒一人一人が主体的に選択できる進路指導の在り方」を研究主題として、研究に取り組んでいる。
本校では、養護教育進路指導推進事業実施要項に示された「事業の目的」から、本研究の趣旨は次の三点に集約されると考えた。
1)生徒一人一人の進路指導の在り方についての研究
2)関係者の理解啓発を促す研究
3)ネットワーク作りを進める研究
これを本校の実状に合わせて考えると、1)については、生徒一人一人の進路を決定するにあたり、本校では現場実習.校内実習を基本にして進めており、それらのよりよい在り方を研究することであろう。
2)については、関係者、つまり、事業所、通所・入所施設等、学校卒業後に障害者を受け入れる側と、公共職業安定所、児童相談所、社会福祉事務所等の関係諸機関及び障害者が在籍している各学校ということになるが、これら関係者の理解啓発を図るには、直接本校生徒を接する現場実習や授業参観等を活用して研究を進めていきたい。
3)については、現在、一般就労について「会津地区心身障害者雇用連絡協議会」が組織され、障害者の現場実習受け入れと雇用促進に向けて、その受け皿作りに協力をいただいているが、さらに、各事業所の理解と雇用できる体制づくりの呼びかけが必要とされている状況である。
また、障害者の重度化・多様化傾向を考えたとき、作業所・施設等との連携を一層深めていかなければならない。
現場実習・校内実習見学会について
九月末、本校を会場に行われた。
午前中は、全体会において概要説明の後、校内実習を見学した。
実習内容は、「袋詰め」作業(ところてんに添えるスープ、からし、のり、フォーク)と「ブラウン管の部品組立」作業である。
廊下を隔てた二つの工場(教室)を見学者は何度か出入りしながら、生徒たちの手の動きや様子に見入っていた。また、別室では、作業の物品が用意され、引率の教師の指導のもとで実際に作業を行っている楽しそうな協力校の生徒の姿も見られた。
午後は、希望により、三コースに分かれて現場実習の見学会が行われた。クリーニング店では、機械化された中でタオルやシーツが所狭しと積まれ、実習生が休みなく手を動かし作業に臨んでいる様子に特に感動した様子で、その後の話し合いでは、「ここで働きたいです。」と感想を述べる協力校の生徒もあった。
校内実習の様子
現場実習の様子
事業主・協力校・保護者等の授業参観・懇談会について
十二月中旬に授業参観、懇談会を実施し、午前の前半を授業参観にあてた。中学部と高等部の「生活単元学習」と「作業学習」をそれぞれ参観した。
その後の懇談会では、一事業所、一作業所(いずれも現場実習を実施した所)の代表者により現場実習についての話を伺った。
質疑応答では、進路指導推進事業の委員の方々、現場実習先の代表の方々、協力校と本校高等部生徒の保護者、教師により、約一時間にわたり大変活発に意見や感想等が交わされた。