教育福島0205号(1997年(H09)09月)-049page
美術館だより
企画展
大「細工」展
小さなものたちの大きなつぶやき
日本人は〈もの〉を作ることに非常な情熱と畏敬の念を抱いてきました。未知の〈もの〉を見たときの旺盛な好奇心、見よう見まねで同等のものを作ってしまう適応能力の高さ、限られた材料を活かし切る様々な工夫、出来上がった〈もの〉の高い完成度、そして趣向や仕立てを好む遊びの精神。
こうした、〈もの〉をつくるときに現れる日本人の特徴は、あらゆる分野で見出すことができます。
このような特徴を表している言葉として「細工」があります。
「細工」という言葉には、単にものをつくるというだけにとどまらず、〈よいもの、よく工夫されたものをつくること〉というニュアンスが含まれています。
こうして〈細工〉されたものは、美術品のなかにのみ見られるわけではありません。嗜好品や玩具、あるいは実用品や工業製品のなかにさえ、「細工」の精神を見ることができます。
この展覧会では、江戸時代から現代に至る多種多様な〈細工もの〉の中から、美しさ、技の冴え、着想の意外性などの点で際だつものを約500点展示し、日本文化における「細工」の意味と広がりをご紹介します。
講演会
日時:11月3日(月) 午後2時から
場所:福島県立美術館講堂(定員240人聴講無料)
演題「見せ物、造り物、細工物」(仮題)
グルメな□ウ細工−料理サンフルの実技講座−
日時:11月22日(土)、23日(祝)
場所:福島県立美術館実習室
講師:石田強義氏(株式会社岩崎・参与)
ギャラリートーク
日時:10月24日(金)午後2時から
11月8日(土)午前11時から
観覧料
一般・大学生=840円(680円)/高校生=630円(470円)
小・中学生=420円(310円) *()内は20名以上の団体料金
安藤緑山「牙彫 果菜置物と貝尽くし」大正〜昭和
「本駒菖浦革腰差し煙草入れ」
根付「百花百草」江戸時代
砂からくり「鞦韆」