教育福島0206号(1997年(H09)10月)-019page

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2) 高等学校教育

 

県教育委員会では、生徒の進路希望実現のために「学力向上サクセスプラン」事業を行っています。また、平成五年六月に出された福島県学校教育審議会の答申を踏まえ、国際化、情報化などの社会の変化に対応した高等学校教育の改革に取り組んでいます。

 

「学力向上サクセスプラン」事業の推進

県教育委員会では、本県生徒の学力の一層の向上を図り、生徒の個性を生かした進路希望実現のために、平成八年度に「大学など志願率向上に関する調査・研究会議」を設置し、県内の全公立中学校及び高等学校を対象に、生徒約三万人とその保護者合わせて約六万人に実施した「進路に関する意識調査」の結果に基づく学力向上対策についての検討をお願いして、今後の施策に活かすべき「提言」をいただきました。

この「提言」を受けて、今年度から全日制の県立高等学校九十一校すべてを対象にした「学力向上サクセスプラン」事業をスタートしました。

《事業の概要》

この事業では、次の五つの事業を行っています。

一 学習の個別化を図るための事業

・数学・英語等の指導の個別化を図るために、ティーム・ティーチングのための講師を各学校の実態等に応じて配置しています。

・今年度については、常勤講師、月手当非常勤講師、時間講師を配置しています。

・授業を二人の教員で行うティーム・ティーチングの実施により、生徒に対してよりきめ細かな指導が可能になり、基礎学力の向上が図られます。

二 各高等学校の生徒の実態に応じた進路希望実現のための事業

・生徒の学力向上、進路希望の実現を図るために、各学校が独自の事業を計画立案し実施しています。

・各学校で実施されている事業のうち主なものは次のとおりです。

(一) 生徒や保護者を対象とした進路講演会

(二) 大学等の見学会や体験学習

(三) 生徒に対する学習合宿

(四) 基礎学力向上のための指導資料や教材の作成

(五) 教員の他校視察研修

(六) オンラインシステム等による進路情報等の収集と活用

(七) 資格取得支援のための資料の収集や指導

三 中・高の連携を図るための事業

・中・高間の国語・数学・英語の指導等の接続の緊密化と一貫化を図るために、県内六地区で「中・高学習指導研究委員会」を開催しています。

・今年度は、委員会において次の三つの事業を実施しています。

(一) 中・高相互の授業公開や研究協議

(二) 中・高教員の学習指導のための「つなぎ教材」の作成

(三) 中・高連携を積極的に図っている他県の視察・研修

 

岡山県玉野市立日比中学校を訪問

 

岡山県玉野市立日比中学校を訪問

 

四 進路指導担当者研修会

・各高等学校の進路指導担当者を対象に、効果的な進路指導の在り方について研修を行います。

・研修内容は、進路指導等に関する講演、各学校における進路指導やティーム・ティーチングの取り組みに関する発表や情報交換並びに研究協議などです。

・今年度は年二回実施しますが、六月の第一回研修会では、安積高校・安積女子高校においてティーム・ティーチングの公開授業及び千葉大学の天笠茂教授の講演などを実施しました。

五 学力向上に関する教育施策等研究会議

・学力向上に関する教育施策等についての計画的な改善を図るために開催します。

・委員は学識経験者、小・中・高等学校の代表、教育委員会関係者など、幅広い意見が反映されるように構成しました。

・会議は、今年度から来年度の二ヵ年にわたって開催し、来年度提言をいただく予定です。

今後は、この事業を効果的に推進することによって、生徒の進路希望の実現、ひいては大学等志願率、進学率の向上を目指していきます。

 

 

 


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