教育福島0206号(1997年(H09)10月)-020page

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高校教育改革の推進

県教育委員会では、平成五年の福島県学校教育審議会答申「生徒減少期における高等学校教育の在り方」に基づき、社会の変化や生徒の多様な興味・関心、進路希望に対応するため、生徒が生き生きと学校生活を送り、個性を最大限に発揮できる教育の実現に向けて、高校教育改革を推進しているところです。

具体的には、四十人学級の編制や学科の改編、男女共学化の推進をはじめ、単位制高校や総合学科高校などの特色ある学校づくりに努めています。

さらに、これらの改革を推進するために、現在「具立高等学校改革計画」を策定中であり、去る六月には「男女共学化の実施」「定時制・通信制高校の配置」「総合学科高校の配置」等を内容とする「第一次まとめ」を公表したところです。

 

・ 男女共学化の実施

 

平成五年の段階で、本県には八校の男子校と十二校の女子校がありましたが、これまでに、富岡、福島商業、福島西女子(福島西)、福島東、須賀川・普通科、須賀川女子(須賀川桐陽)、郡山・英語科、白河、白河女子(白河旭)の共学化を実施してきました。平成十年度には、郡山・普通科と郡山女子(郡山東に校名変更予定)の共学化を予定しており、残る十二校も平成十五年度をめどに、逐次、共学化を図っていく予定です。

 

・ 定時制・通信制高校の配置

 

定時制課程に学ぶ勤労青少年の就業形態が多様化し、夜間だけでなく昼間での就学を希望する者が増えるなど、様々な学習ニーズを持った生徒が入学するのにともない、定時制高校に対して新たな期待が寄せられています。そこで、現在の定時制高校のうち、福島中央、あさか開成須賀川校舎(独立校化)、会津第二、いわき光洋の四校を、新しい柔軟な学び方で高校教育を受けることができる単位制高校とします。

また、通信制課程においても従来の通信教育での学び方に加え、不登校生徒のための自宅学習の機会として、あるいは大学入学資格検定制度と併用して進路実現を目指すなど、新たな学び方が求められています。そこで、現在のあさか開成を通信教育実施校とし、施設・設備の整備を行う一方、県内各地区に通信教育協力校を配置し、各校にスクーリング専用教室を準備する予定です。

 

・ 総合学科高校の配置

 

総合学科は普通教育と専門教育を総合的に行う新しい視点に立った学科であり、従来の普通科、専門学科に並ぶ新たな学科として期待されています。生徒は多様な普通科目と専門科目から成る選択科目群の中から自分の興味・関心、進路希望に応じて科目を選択し、学習を進めます。

本県では、昨年、光南に初の総合学科を設置し、今年度は安達東と双葉翔陽に設置しましたが、生徒たちは意欲的に充実した毎日を送っています。さらに、来年度は小野に県内四番目の総合学科を設置する予定で、教育課程の検討や施設、設備の充実を進めているところですが、系列は人文科学、自然科学、産業技術、ビジネスサービス、情報メディア、福祉教養の六系列を予定しています。

 

・ 学科の改編

 

・ 学科の改編

 

社会の変化や産業・就業構造の変化に対応するとともに、生徒の進路希望や地域の期待・ニーズに配慮しながら、これまで、特色ある、魅力ある学科の新設に努めてきました。

また、中学生の進路希望や専門高校の卒業生の進路の多様化等も考慮し、普通科等と専門学科の募集定員に占める比率の見直しを図りながら、学科改編等を進めてきました。

 

・ おわりに

 

平成八年度、高等学校教育課内に県立学校改革推進班を設置し、総合学科高校などの特色ある新しいタイプの学校づくりや魅力ある学校の設置、さらには男女共学化の推進など、県学校教育審議会答申の具現化を図ってきました。今後も、生徒減少期における高等学校の在り方を検討しながら、高校教育改革を一層推進していきます。

去る六月に「県立高等学校改革計画(第一次まとめ)」を公表しましたが、学校・学科の適正配置や新しい構想による学習施設等の設置などを内容とする改革計画については、引き続き検討し、今後、「第二次まとめ」として策定する予定です。

 

 

 


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