教育福島0207号(1997年(H09)11月)-012page

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特集2

総合学科で学び始めて

安達東高校・双葉翔陽高校スタートして9か月

高等学校教育課

 

はじめに

我が国の高等学校は、昭和二十三年の新制高等学校発足以来、普通科と専門学科の二本立てで進んできましたが、国際化、情報化、科学技術の高度化等の時代の進展や産業・就業構造の変化に伴い、高校に入学してくる生徒の興味・関心や進路希望等も多様化してきました。

そこで、これらの社会の急激な変化や時代の要請、さらには生徒の多様なニーズに応えるため、高校教育改革の切り札として総合学科が誕生しました。

総合学科は、個性の伸長を重視する観点に立って生徒の主体性を促し、できるだけ柔軟で選択幅の広い教育を目指していますが、具体的には次のような方法で特色をもたせることができます。

多様な選抜方法

狭義の学力だけでなく、文化・スポーツ活動やボランティア活動等の実績を重視した推薦入学の導入をはじめとする多様な選抜方法の工夫

幅広い選択履修

普通科目及び専門科目を幅広く開設し、自己の興味・関心に応じて履修科目を主体的に選択

授業形態の工夫

少人数クラスや個別学習及びグループ活動を活用した授業、特定の学期又は期間における集中的な授業、社会人講師による授業といった授業形態の工夫

単位制による教育課程編成

学年の区分によらず履修科目を選択できるように、卒業時までに所定の単位を修得すれば卒業を認定するという単位制による弾力的な教育課程の編成

学校間連携等の推進

高等学校間の連携、専修学校における学習成果や技能審査の成果の単位認定の活用により、自校では開設されない分野への学習機会の拡大

このほか、専門学科への転学を希望する生徒に対する配慮や、転・編入学を希望する生徒の積極的な受入れなどの方法も考えられます。

以上のような考え方に基づき、全国では平成六年度から総合学科を設置できるようになりましたが、初年度の七校をはじめとして、今年度までに四十都道府県で七十四校に総合学科が設置され、十九府県では複数校に設置しています。

本県では、平成五年六月、県学校教育審議会が「生徒の個に応じて選択履修をより可能にする教育課程の編成や専門科目等の履修ができるよう、総合的な選択科目群を開設するなど、生徒の多様な学習ニーズに対応できる新たな観点に立った総合学科を導入する必要がある」と県教育委員会に対して答申を行いました。県教育委員会は、この答申を尊重しながら、全県的な視野に立って設置校の検討を進め、平成八年四月、光南高校に県内初の総合学科を設置しました。

さらに、今年の四月には安達東高校と双葉翔陽高校が総合学科高校として新たなスタートを切りましたが、生徒たちは「産業社会と人間」などの授業を通して、自分の将来を見据えながら、毎日の学習や部活動に充実した生活を送っています。

また、来年度は小野高校に県立高校としては四番目の総合学科を設置することになっており、教育課程の検討や施設・設備の充実を進めているところです。

ここでは、安達東高校と双葉翔陽高校の総合学科に学ぶ生徒たちの生き生きとした学校生活の様子や、特色ある多様な科目を系統だてて配列した教育課程などを紹介します。

 

 

 


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