教育福島0207号(1997年(H09)11月)-037page
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四、 研究実践並びに成果
1 総務班
各班と協力して、全体的な視野に立った企画・立案を行った。又、各班と緊密な連絡を取りながら、随時各班の企画・運営に参加。この研究を通して本校の現状と課題を見つめ直す機会が得られ、教職員や生徒に「事態を成り行き任せにしない」といった意識の変容が見られるようになった。又、関係諸機関(行政センター・公民館・観光協会・体育協会)等との緊密な連絡調整を図っての実践により連携が一層強くなった。
2 生徒指導班
生徒指導の基本が生徒の基本的生活習慣にあるとの認識のもと、その確立を図る方策を研究した。
1) 交通マナーの実践研究(通学路の危険箇所点検・登下校時の交通指導・自転車点検)においては、生徒達は道路条件や自然条件を事故の原因と考えていたことが、自分自身の危険予測の未熟さに起因しているという思いに変わるなど交通安全意識の高揚が図られた。危険回避の認識が高まり、交通事故が幸いにも生じていない。
2) 校内美化運動の実践研究では、校内からのタバコ一掃大作戦・校内クリーンアップ作戦に取り組んだ。タバコ一掃大作戦は指導部が主体となり取り組み、大きな成果を挙げた。校内クリーンアップ作戦では、捨て易いゴミ箱の検討と設置校舎内の壁・ドアのペンキ塗布を生徒自身の手で実施。その結果校舎内の整理整頓が図られ、明るく清潔な学習環境となった。
3) 頭髪、服装に関する意識と行動の研究においては、研究班の教員とクラスの代表生徒の会合を待ち、よりよいあり方を模索した。更にホームルーム活動において、クラスで討議を深めた。その結果、単に服装面にとどまらず、言語表現(場に応じた話し方)にまで考えが及んだことが成果であった。
3 体験学習1)班
地域や関係機関との連携のもと、生徒のよりよい郷土愛の育成並びにボランティア精神の涵養についての研究を試みた。
1) 湖岸清掃は猪苗代湖の岸を美しく保とうと三十四年間続いている学校行事である。今回、ホームルーム活動で事前調査、企画、意義、目的を再確認のうえ、生徒主体の活動を心掛けた。その結果、生徒は自主的に取り組み、地域の湖の美しさを何時までも保ちたいという思いが一層強まった。
2) ボランティア活動については多方面にわたり取り組んだ。特に「ひとり暮しの老人宅」の雪下し作業は全員が参加。地域の方々から感謝され、生徒達は地域の一員であるとの自覚を強めるとともに、ボランティア活動の必要性を一層強く認識した点で大きな成果があった。
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雪下しボランティア
雪下しに対する礼状
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4 体験学習2)班
地域の文化活動に積極的に参加させることを通し、郷土の理解、郷土とともに生きる意識の形成を図る研究、又、ホームルーム活動の充実について研究を行った。
1) 郡山市花いっぱいコンクールに参加。四月中旬から除雪作業に始まり、土作り、苗の植え付け、除草散水等を全校で取り組んだ。昨年努力賞、本年優秀賞を獲得。自分が学ぶ学校を愛護する心が育った。
2) 地域の理解を深めるための講演会を実施。地元の史談会会長による「郷土の歴史と先人の残した文化遺産について」、本校校長による「湖南の地理について」であったが、生徒は身近な話題であり真剣な学習態度であった。地域理解を図るうえで大きな成長があった。
五、 今後の課題
学校行事、生徒会活動、ホームルーム活動、各教科の指導内容と体験学習との関連性を一層明確にし、日常教育活動に生かす工夫・改善が必要である。又、体験学習や講演会などによって、ボランティア活動に関する意識は高揚しつつあるが、日常の生活に結び付いていない。生徒の自主的な実践活動を導き出すためにも今後の継続的な実践と研究が不可欠である。
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