教育福島0207号(1997年(H09)11月)-038page

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養護教育センター通信

障害のある子供の理解のために

子供の良さを生かす指導:心理・教育アセスメントのあり方

 

て言うし、よく友達と喧嘩をして帰ってくるんです。どうしたらよいでしょう」

 

て言うし、よく友達と喧嘩をして帰ってくるんです。どうしたらよいでしょう」

 

「授業中に立ち歩いたり、友達にちょっかいを出して困るんです」「みんなと一緒に同じことができないのですが、どう指導したらよいですか」「ついていけない教科があって、学校がつまらないって言うし、よく友達と喧嘩をして帰ってくるんです。どうしたらよいでしょう」

養護教育センターには、ここのところ、明らかな障害があるとは感じないものの、学習面や行動面でとても気になるところがあるという相談が、小学校の教員や保護者の方から寄せられるようになってきました。

子供たちは、それぞれが個性を発揮して生活していますから、うまくいくこともうまくいかないことも、周りの人が困ってしまうことも様々起こるのは当然です。そんな中で集団生活を送っていますから、大人も子供もお互いに干渉し合って、ストレスになってしまいますし、そのためにトラブルも起こります。そして、毎日の生活の中で一番心に負担がかかってくるのが当の子供なのです。従って、子供がうまくできないこと、困っていることのみに目を向けて指導するのではなく、子供の良さやうまくできるところを認めていきながら適切に支援することができれば、子供の負担が軽減でき、適応できることが増え、自信がつき、意欲も高まってくることと思います。一つ一つの学習のつまずきや行動の特色をていねいに見ることと、子供の心理面の特性を把握することで、その子供にあった対応を考えていくことができます。

私たちが、障害のある子供や、学習や行動の面で混乱をしている子供の教育ニーズに応じて相談を受けたり、教育的援助をしたりする場合、まず子供の障害や課題を正確に受け止め、理解し、それに合わせて個別に対応しながら計画を立て実践します。そのための基礎になるのが、心理・教育アセスメントです。心理・教育アセスメントは、学習面、心理適応面、身体面の発達や障害、子供が生活する環境(家庭、学校)について、教育・援助のために必要な情報を収集し総合的に把握することを指します。その過程を図に示します。

心理アセスメントの重要な側面の一つに「知能」があります。今までの知能検査は子供の判別・診断を中心に実施されてきたきらいがあり、IQ(知能指数)を算出して「個人差」を見ることが主でした。しかし、それは心理検査の本来の姿ではありません。アセ

 

図 心理・教育アセスメントの進め方

 

図 心理・教育アセスメントの進め方

 

 

 


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