教育福島0208号(1998年(H10)01月)-010page
自ら学び追究する社会科の問題解決学習
確かな学力の向上をめざして
福島市立三河台小学校教諭 菅藤賢一
一 主題設定の理由
自ら学ぶ意欲を持ち、社会の変化に主体的に対応できる「生きる力」を養うために、児童の興味・関心、能力、適性などに応じた学習指導を展開すれば、一人一人が生き生きと学習に取り組み、学ぶ力を確実に身に付けられると考える。
また、社会科の学習においては、課題を児童自身の問題意識にもとづいて設定し、自らの学習方法によって主体的に学習に取り組み、思考力・判断力・表現力などを培い、問題解決能力を身に付けるための授業を構成することが大切である。
そこで、社会科の問題解決学習に焦点を当て、児童一人一人のよさが発揮できる学習過程の構成、指導方法の工夫・改善、教材開発を行うことにより、児童に基礎的・基本的内容を定着させることができると考え本主題を設定した。
二 研究の仮説
1 研究目標 (省略)
2 仮説
社会科の問題解決学習に表現活動や評価の場を位置づけ、学習内容や方法について、児童自ら選択できる場や機会を構成すれば、一人一人のよさ(個性)を生かした学習を進めることができ、基礎学力の向上を図ることができるであろう。
3 研究の内容 (一部省略)
(1) 問題解決学習
一小単元一サイクルの縦型の問題解決学習において、問題追究の段階における活動に複線型(分岐型・並列型)を取り入れ、子供主体の課題選択学習や順序選択学習などを工夫し、学習活動の多様化を図る。(資料1)
資料1 課題選択学習(複線型)の例
(2) 表現活動
問題解決学習の中に、「新聞作り」「解説者になって」「まとめの問題」として位置づける。そこでは、分かったことや疑問に思ったことなどを、自分なりに工夫して文字や図や表を用いて表現させることにより、基礎的・基本的内容の定着を図る。
(3) 評価
教師による観点別評価は、授業中の発言や態度、ノート、新聞などを中心に行い、児童のよさを積極的に見取り、意欲を持たせながら次時の指導に生かしていく。
また、児童には学習の目標に応じて、授業の終わりに学習のポイントや感想を書かせる。自己評価