教育福島0208号(1998年(H10)01月)-011page
をすることにより自分の考えを整理することができ、自分なりの伸びを感じ取り学習意欲が高まる。
(4) 自ら選択できる場や機会
子供一人一人の興味や関心を生かすために、複線型の学習を取り入れ、自ら課題や解決方法、表現方法などを選択できる活動の場と学習の環境を整えていく。
(5) 基礎学力について
目標分析表を作成して基礎的・基本的内容を精選する。また、基礎的・基本的な内容の定着状況を明らかにするために、『社会的事象への関心・意欲・態度』『社会的な思考・判断』『観察・資料活用の技能・表現』『社会的事象についての知識・理解』について、児童の実態と変容を評価問題からとらえ、その成果と課題を明らかにする。
三 研究計画 (省略)
四 研究の実際
【実践1】
『三人の武将と天下統一』
1 研究の方法
(1) 一小単元一サイクルの問題解決学習の指導計画を作成する。今までの実践の反省から、児童のよさが生き、伸びていく主体的な学習の成立を目指し、学習形態を複線型(課題選択型)にして、個やグループでの活動が積極的に行われるようにする。
(2) 目標分析表から、基礎的・基本的事項を明確にした指導計画を立てることにより、児童の実態を的確に読み取り、より効果的な働きかけや支援を行えるようにする。
(3) グループでの新聞作りや問題作りなどの表現活動をとおして、自分が調べたことや自分の考えをみんなに伝える時間を位置づける。
(4) 児童の変容を明らかにするために、社会科の学力を総合的にとらえて判断する(社会科学習指数・グループ学習指数・目標達成指数・学力評価指数)学力指数を活用する。 (資料2)
資料2 学力指数の構造
2 授業の実際
(1) 小単元のねらい (省略)
(2) 指導計画 (省略)
(3) 指導内容 (省略)
(4) 研究内容の成果
1) 一小単元一サイクルの問題解決学習では、一人一人の児童が十分に調べたり、多様な表現方法で工夫したりする時間が確保できた。
また、自己課題について文献などで調べたあとのグループ活動(情報交換の場)では、互いのよさを認め合ったり、疑問点などを指摘し合ったりする姿が見られた。さらに詳しく調べ直す姿も見られるようになったことから、より確かな見方や考え方ができるようになったと言える。
2) 単元の目標を分析し、観点ごとに具体的な児童の姿として目標を設定することにより、基礎的・基本的内容が明らかになるとともに達成目標が具体化され指導の重点化を図ることができた。 (資料3)
資料3 3人の武将と天下統一の評価規準と評価
3) 『解説者になって』やグループでの『新聞作り』、単元末の『問題作成』などの表現活動では、必要な資料を収集・選択し、自分なりに解釈しながら再構成していく力がついた。
また、グループ内で感想を書き合う、相互評価の場面を設けたので、友達同士でよい作品に仕上げ