教育福島0208号(1998年(H10)01月)-020page
デオを作成して実際にアメリカの姉妹校に送り、成就感を味わった。
《実践2》郷土愛の実践
テーマ「歴史の町『三春』を学ぼう」(平成七年度 第六学年)
(1) 総合的単元構成(略)
(2) 学習活動の実際
社会科「三春の歴史を調べよう」では、選択した時代や人物に関わる三春の史跡をコース別に見学した。実際に史跡を訪れることで、子供たちは身近な場所に重要な文化財があることを改めて知ることができた。見学したことをもとにアルバムや新聞に表現し、課題に応じたまとめをすることができた。
道徳の時間には「守ろう 三春の文化財を!」をいうテーマで町にある多くの文化財を守っていくことの大切さについて考えた。社会科の見学の際の感想や地域のことを取り上げた自作資料を使うことにより、子供たちは、町の文化財への理解を深め、保護の大切さを感じとっていた。
卒業製作では「三春歴史カルタ」づくりに取り組んだ。地域の方が詠んだ三春にまつわる四十七の詩に合わせて子供が絵画表現し、カルタを作成した。社会科の歴史学習や道徳の時間の学習による心情の高まりが作品の製作を支え、出来栄えもよいものになった。作品を卒業式に披露するとともに作品集としてまとめ、成果を味わうことができた。
文化財を自分の足で訪ねる
《実践3》自然愛・環境保全の実践
テーマ「守ろう!私たちの地球」(平成八年度 第五学年)
(1) 総合的単元構成(資料1)
(2) 学習活動の実際
道徳の時間「地球があぶない」では、児童会活動のクリーン作戦で拾った空き缶の数のグラフを資料として利用し、身近な地域や地球全体の環境が危ぶまれている事実に目を向けさせた。また、教科等での環境に関わる学習内容を概観し「守ろう!私たちの地球」の発表会を計画することで、動機付けを図った。
音楽科の学習では、発表会という大きな目標に支えられて日常的に練習するなど、総合的に扱ったよさが認められた。また、音楽の学習に関連して、英語指導助手からアメリカの学校の環境保護の取り組みや環境保護の歌を教えていただいた。
社会科の「これからの工業と環境」の学習では、国語科の説明文の学習と関わりを持ちながら、次のような課題に別れて調べ学習を進めた。
・大気の汚れ、温暖化 ・絶滅する森林、動物 ・オゾン破壊 ・核兵器 ほか
家庭科では、「清潔なすまい」の学習の一環として、集めた牛乳パックから紙を再生するリサイクル活動に取り組んだ。
これらの学習活動のまとめとして保護者参観に発表会を開いた。社会、音楽、家庭での学習を総合的に発表し、満足感を得ることができた。
「守ろう! 私たちの地球」発表会
七 実践の考察
1 学校全体で取り組んだことから生活科のよさを生かすために学校テーマを設定するとともに、地域素材などを活用しやすくしたり学習環境を整えたりしたことが計画作成や支援を容易にし、実践につながった。
2 学級での努力点から学級における道徳教育指導計画の形式を改善することで総合的に扱えるまとまりを把握しやすくなり、単元の構成に役立った。
3 単元構成の工夫について
(1) 生活科のよさを生かしたことについて
1) 各教科では、地域素材を活用することが具体的な活動を誘発し、意欲的な学習を進めることができた。また、道徳の時間に地域を取りあげた自作資料などを活用することで、子供を深い理解や納得に導くことができた。
地域の素材とそれ以外の素材を組み合わせて活用することで、地域素材のもつよさがより生きた。
2) アルバムづくりや新聞づくり、ビデオづくり、カルタづくり、音楽による表現など多様な表現素材の中から適切なものを取り入れることで充実した表現活動になった。