教育福島0208号(1998年(H10)01月)-033page

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しながら、「参加型」の授業参観を工夫した。

(4) 保護者とのコミュニケーションの工夫

保護者の考えを積極的に掲載したり、子供たちの自主学習ノートヘの励ましをお願いしたりしてきた。

 

資料5 「一人一人のよさを認め励ます学級通信」

 

六 実践を通した児童の変容と保護者の意識

 

六 実践を通した児童の変容と保護者の意識

 

1 工夫1について

自分のよさをいくつと捉えているかを調査した結果、平均二ポイントの上昇が見られた。自分のよさを自覚し、自信を持って自己表現できる児童が育成されてきたことが、アンケートや活動する姿から感じ取ることができる。また、各手だてのアンケートでも、児童、保護者ともにその有用性を認めている。

2 工夫2について

自主性や協力性、相互理解に好ましい変容が見られた。特に、係り活動が「自分や学級のためになった」と八割以上の児童が答えている。

3 工夫3について

「質問し合って問題を解決したとき」を楽しいと感じている児童が増えた。また、発表への意欲も高まってきたことなどに、集団協力解決学習の有効性が認められる。

4 工夫4について

学級通信によって、我が子のよさや学級の様子が分かるようになってきたと答える保護者が多かった。また、約五割の家庭では、我が子との話題の材料となっている。

5 抽出児の変容から (省略)

 

七 研究の成果と反省

 

1 研究の成果

(1) 自尊の感情を高める学級通信であったか。

学級通信によって、自分のよさを自覚できた子は九七%、やる気を持ったことがある子は九四%であった。学級通信への感想からは、「自分のよいところが書いてあるとやる気が出る」「私ってすごいんだ、と思うようになった」などの記述が多く見られた。四つの工夫の中で、子供のよさを見いだし、それを学級通信の中でほめてきたことが自尊の感情を高め、活動意欲をも高める上で効果的であったといえる。

(2) 保護者との連携を深め、「ほめるサイクル」を機能させる学級通信であったか。

九割以上の家庭が、学級通信を楽しみにしている。また、「ほめるサイクル」の有効性を九七%という高い割合で認めており、約七割の家庭が子供を意識してほめるようになっている。さらに、家庭と教師、学校の連携に役立っているとほとんどの保護者が答えている。

(3) めざす学級像に迫ることができたか。

自分に自信を持ち、積極的に活動したり、物事に挑戦していくようになってきた。また、何でも言い合える学級の中、互いに高め合って努力する児童が育ってきたことを作文などからも感じ取ることができる。笑顔に満ちた楽しい学級、やる気を持ち、拍手で互いのよさを認め高め合う学級集団が育成されてきた。子供をほめる学級通信が、個の伸長と、個と集団の相互作用を促進する媒体として有効に働いたためと考える。

2 研究の反省

家庭にとって受け身的な学級通信ではなく、家庭から働きかけてくるような方策を工夫し、保護者との連携を一層深めていきたい。

 

 

 


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