教育福島0208号(1998年(H10)01月)-036page

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養護教育センター通信

 

障害のある子供の教育相談Q&A

 

はじめに

 

当センターでは、障害がある、または障害があるのではという子供たちのために、その保護者や担任の先生方などに対して、教育相談を行っています。その概要については、九月号でお知らせいたしました。

ここでは、相談件数の多い情緒障害にかかわるケースを中心に、今日的に話題になっていることについて考えてみたいと思います。

 

Q一 情緒障害とは、どのようなものですか。また、原因は。

A・情緒とは、折りにふれて起こる様々な情である。−広辞苑

言い換えると「人が何らかの事象に直面するとき、主観的に反応する心の動き、あるいは感情の動き」ということができます。

そのような様々な情緒の現れ方が特異的であり、刺激に対して過敏であるために、好ましくない癖、緘黙、友人関係などでつまずきが見られたりします。

原因としては、先天的に軽微な脳の損傷がある場合、友人関係や、家庭環境等に問題がある心理的、環境的要因が考えられますが、その特定はむずかしいものとされています。

 

Q二 学習にうまく適応できず、集中力もないのですが。

 

A・まず、「子供の行動の特性を把握すること」が大切です。

たとえば、国語の時間に、書くことはできるが、読むことがうまくできないなどです。

これらは、「知的な発達に全般的な遅れはなく、多くのごとが他の子供たちと同じようにできるのに、ある特定のことができない」と言えると思います。

子供たちは、出来るようになりたい、という願望を誰もが持っています。このような視点で日々の行動を見つめ、「わざとである」とか、「怠けている」、ということではないことを私たちは理解するところがら始めたいものです。先生方の子供の行動を見る目、心の動きを見る洞察力、豊かな感性等子供に対する想いが問われています。

次に、日々の支援・援助に当たって配慮すべき点について考えてみましよう。

まず、認知の特性をしっかり把握し、子供の全体像を知ることから始めましょう。その際、次のようなことを基本にしてはどうでしょうか。

○得意な面やできることを大事にする。

○課題を提示するときに、見通しを持たせる。

○課題の量を調節する。

○こうやればうまくできるという、行動目標やサンプルを示す。

 

 

 


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