教育福島0209号(1998年(H10)02月)-014page

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平成10年度企画展ラインナップ

福島県立美術館

 

1 ピカソ回顧展 4月25日(土)〜6月7日(日)

 

今世紀最大の芸術家と評されるパブロ・ピカソ(1881〜1973年)は、およそ80年に及ぶ芸術活動の中で、絵画、彫刻、版画、陶器など、様々なジャンルにまたがる膨大な数の作品を制作しました。多元的な才能、高度な技術力、想像力の深さにおいて、近代芸術史上彼を凌ぐ者はいないといっても過言ではありません。

本展は、ピカソのコレクションとしては欧州最大といわれるドイツのルードヴィヒ・コレクションの中から、各時代にわたる多彩な作品約180点によって、ピカソ芸術の全貌をご覧いただきます。

 

2 勝田蕉琴展 6月13日(土)〜7月20日(月)

 

勝田蕉琴(1879〜1963年)は、明治・大正・昭和にかけて文展、帝展を舞台に活躍した福島県棚倉町出身の日本画家です。1905年に東京美術学校日本画科を卒業後、詩人タゴールの招きでインドに渡り、カルカッタの美術学校で教鞭を取りました。帰国後は文展や帝展の重鎮として活躍するかたわら、福陽美術会などを通じて本県の日本画壇にも強い影響を与えました。

本展は、写真と装飾、平面と空間表現の関係を独自の手法で追究した蕉琴の画業を、画稿等の諸資料を含めて包括的にご紹介します。

 

3 ボナノッテとデ・ミトリオ二人展 7月25日(土)〜8月30日(日)

 

古代ギリシャ・ローマ以来の芸術的伝統を誇るイタリアは、彫刻からジュエリーにいたる独自の造形文化を育んできました。今世紀もマリーニやマンズーなど世界的な彫刻家を排出しています。現在ローマを拠点に活躍しているチェッコ・ボナノッテ(1942年〜)は、戦後イタリア具象彫刻を担う作家として注目を集めています。

本展は、ボナノッテの彫刻やレリーフ約50点と、夫人のデ・ミトリオの華麗な宝飾彫刻等約80点により、今日のイタリア造形の豊かな世界をご紹介するものです。

 

4 岡鹿之助展 9月26日(土)〜11月15日(日)

 

岡鹿之助(1898〜1978年)は、新印象主義の画家スーラの点描法や構成法に学び、ヨーロッパの古城や三色すみれをモチーフにした静謐で温雅な作品を数多く残した洋画家です。1924年に東京美術学校油画科を卒業後パリに留学し、フランス美術の理知的な伝統を習得する一方、マチスやボナール、ザッキンらと交友を深めました。57年に毎日美術賞を受賞。72年には文化勲章を受賞しました。

本展は生誕100年を記念して、代表作品約120点により魅惑にみちた岡鹿之助の世界をご覧いただきます。

 

5 福島の新世代展 12月11日(金)〜2月7日(日)

 

本展は、福島県に深い関わりを持ち近年充実した創作活動を繰り広げる気鋭の作家の現況を広くご紹介する展覧会です。今回は1996年に続き第2回目となります。様々な美術の分野から選ばれた若い世代の作家約8名の近作、新作約100点によって、次世代をになう福島の美術家の創作の現状をご紹介いたします。

 

6 英国デイヴィッド・コレクション展 2月27日(土)〜4月4日(日)

 

デイヴィッド・コレクションは、中国陶磁史の研究家として著名なパーシヴァル・デイヴィッド卿(1892〜1964年)が半生をかけて収集した中国陶磁の名品1,400余点からなり、世界的なコレクションとして知られています。その特徴は、宮廷御用の陶磁器を製造する官窯の精品を中心に、宋、元、明、清各時代の最高とされるものが多数含まれ、中国王朝歴代の宮廷趣味をよくあらわしています。

本展は、デイヴィッド財団の協力を得、コレクションの中核をなす名品約80点を厳選し、中国陶磁の精華を紹介するものです。

 

 

 


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