教育福島0209号(1998年(H10)02月)-024page

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試合という国際的には常識的なスタイルで行われた。某テレビ局のスポーツコーナーでは、日本チームのアウェイゲームでの放送で、カザフスタンのアルマトイヤ、ウズベキスタンのタシケントでは雪が降りそうだとか、UAEのアブダビでは気温が四十度だとかの天気予報を報道していた。また、市民生活の取材放送も頻繁に行われ、地図上で捜したことすらない国の様子を極めて詳細に知ることができた。

どうやらB組の二位が確保でき、A組の二位の代表決定戦を行うことになりそう、となったら、今度はA組の参加国の様子を詳しく放送してくれた。A組はサウジアラビア、イラン、中国、カタール、クェートの五ヶ国。

結局イランとゲームをすることになり、今度はイラン国内のことだけではなくて、在日イラン人で日本人の奥さんと結婚されている方々が、複雑な表情でイランを応援している姿や、NHKのイラン支局の方の「イランのトップクラスの選手でも、国内では古い小さな車を運転している。経済的に恵まれない状況で、サッカーをしている。心情的にはイランに勝って欲しい」という印象的な言葉も紹介された。

代表決定戦が行われたのは、マレーシアのジョホールバル。今度はジョホールバルの紹介番組が流れ出した。

日本代表チームの試合が毎週あり、その勝負で一喜一憂していた二ヵ月の間に広いアジアの諸国の風土や自然、人情等を理解することができた。

今年の六、七月の本大会では、アルゼンチン、クロアチア、ジャマイカという強豪国と試合をすることが決定した。予選リーグを突破してくれて、決勝トーナメントにでも進んでくれたら、今度は昨年以上に同僚の先生方、家族、生徒たちと一緒に、電波媒体であるとはいえサッカーを通した国際理解を楽しむことができそうである。

(福島県立湯本高等学校教諭)

 

全国スポ・レク祭に参加して

荒木幸子

 

活動の振興を図ること」を目的とした大会で今年は沖縄で第十回大会を迎えた。

 

「全国スポーツ・レクリェーション祭」は、「広く国民がスポーツに親しみ、またスポーツを通して交流の輪を広げ、生涯スポーツ活動の振興を図ること」を目的とした大会で今年は沖縄で第十回大会を迎えた。

大会は都道府県代表参加種目としてマスターズ陸上競技、グラウンドゴルフ、壮年サッカー、年齢別ソフトテニスなど十五種目とフリー参加種目六種目が行われた。私が参加したマスターズ陸上競技大会には全国から四十歳以上の男子と三十五歳以上の女子の計千六十八名が集まった。

私がこの大会に参加するようになったのは、数年前に恩師から勧められたことがきっかけであった。初めてのマスターズ大会に喜んで参加し、スタートラインに立った時、今までと違った雰囲気を感じていた。

八十四歳のランナーが五千メートルを力走する姿、ゴール後の清々しい笑顔、声をかけ合う人々…。一人一人が走ることを喜び、楽しみとし、年代を越えた仲間とふれあう。スタートラインに立って、そんな光景を目の当たりにし、思いを巡らせ、生涯スポーツとの初めての出会いを実感したのだった。隣のレーンには、学生時代に凌ぎを削ったライバルや懐かしい友の顔、韓国から参加のランナー、陸上競技を始めてまだ三年という市民ランナー等々。レースは真剣勝負だが、スタート前の語らいやゴール後の握手、記念撮影など、この大会ならではの和やかさが感じられた。

スポ・レク祭のもう一つの特徴は、地元の人々との交流の場である。今回は、沖縄の伝統芸能「エイサー」や民謡の鑑賞のほか、演じる青年や少女たちとの話し合いや踊りの手ほどきなども行われ、とても貴重な経験であり、楽しいひとときであった。ぜひ、また参加したいと思うと同時に多くの方々にも参加してほしいと強く感じた。

中学校時代から本格的に始めた陸上競技百メートル。十年以上も続け、多くの方々のお陰でインターハイや国体、日本選手権にも出場でき、自分を大きく変えてくれた競技と言える。しかし、私が知っていた陸上競技は、所謂チャンピオンスポーツとしての競技だった。ハードな練習を積み、過度の緊張を強いられながらも限界に挑戦し、結果を出す…。

この大会は今までの自分の生き方について、百メートルのレース同様突っ走るだけでなく、ゆとりを持つことの大切さを教えてくれた。生涯スポーツが時代の要請でもある今日、一人の実践者として生徒ととも

 

 

 


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