教育福島0209号(1998年(H10)02月)-037page
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うとする支持的風土の学級をつくることが大切であると考える。
2) いじめに関する教師の意識や取り組み方を把握するために、文部省「いじめ二万人調査」の結果を示して、自由に意見を聞いた。
○ いじめを深刻化させる原因の一つとして、児童と教師の人間関係、信頼関係が希薄になってきていることを指摘している。
○ 担任が積極的に取り組めば解決することが明らかになったが、「こっそりいじめられるようになった」という事実を見逃すことはできない。
○ 自分のよさと同時に友達のよさが分かったり、自分の言動がみんなに認められ集団への帰属意識や満足感が得られたりすれば、いじめ問題は少なくなるのではないかという意見には注目したい。
○ 授業の中で、児童一人一人に居場所が見つけられるような支援をすることの大切さを痛感している。
(2) 改善策の立案と実践
○ アンケートと教師のいじめへの意識調査から次のような問題点をつかみ、教務主任の立場から改善策を立案して実践に移した。
1) 問題点
○ 交友関係が学校生活に大きく影響している。
○ 学業不振が学校での大きなストレスになっている。
○いじめの原因としては、学校や家庭でのストレス解消が考えられる。また、傍観者の存在もいじめを長期化させると思われる。
2) 改善策
○ ストレスを少なくするために、授業中に自分の居場所が見つかるような支援をする。
○ 集団への帰属意識や満足感が得られるように、自分や友達のよさに気づくような支援をしていく。
3) 実践へのアプローチと援助
○ 職員全体協議会で「お互いのよさを認め合う学習活動・一人一人のよさが発揮される学習指導」のための手立てを紹介する。
○ 学年ブロック会に参加して具体的な支援をする。
○ 実践における援助に努める。
4) 各ブロックの計画と実践
《低学年》
○ 各教科で児童のよいところを見つけて、クラスの全員に紹介する。
○ グループ学習の班長を意図的に指名する。
○ 帰りの会で、友達のよい点やがんばったところを発表させる。
〜実践例・二年生〜
一年生の時から友達の「よいところ発表」を続けているので、比較的交友関係がうまくいっている。しかし、発表する方もされる方も目立った児童になりがちなので、教師の方で意図的に問題傾向の見られる児童を称賛するように心掛けた。−B男は、幼稚園の頃からいじめっ子の烙印を押されていたが、帰りの会や授業などでよいところを称賛してきたところ、回りの見方も変わったがB男自身の変容が大きかった。同じクラスのS男(発達遅滞児)の世話を進んでやり、クラスの友達から“親切がんばり賞”に選ばれた。
・問題傾向の見られる児童については、担任と情報交換をしながら適切な支援の仕方を一緒に考えていった。
・B男のよさを引き出す担任の工夫や、それをみんなに伝える等のきめ細かな配慮を称賛し、継続していけるように励ました。
2 研究の考察
(1) 児童のアンケートの結果
○ いじめに関係のある項目について、六月と十二月を比較した。
(2) 全体的な考察
○ 教職員の意識が高まり、個々の児童を見つめて教育活動に当たってきたことで、児童のいじめの割合が減ってきた。
○ 改善策の手立てを紹介したことで、実践への見通しが立った。
○ 学年ブロック会を設定し研究を進めたので、各学年の実態に合った手立てを講ずることができた。
資料 〈児童のアンケート結果〉
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六 今後の課題
これからも「分かる授業」の実践と「一人一人に居場所のある」学級経営に努めるよう教師集団を支援し、いじめを防いでいきたい。
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