教育福島0209号(1998年(H10)02月)-038page
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特別企画3) 平成8年度学校経営B講座
【研究主題】
「学校経営のできる初任者を育てる指導教員の支援の在り方」
会津若松市立第二中学校教諭 板橋健一
教育センター
一 研究の趣旨
不登校やいじめなどの生徒指導上の諸問題は、メディアに毎日のように取り上げられ、その行方については国民の大きな関心事である。この問題の解決には、何といっても「不登校やいじめを生み出さない土壌づくりとしての学級づくり」が重要である。しかし、初任者を含む若手教員は、経験不足からその対応に苦慮することが多い。
本校にも二名の初任者が配置された。私は、教務主任かつ指導教員として初任研に関わることとなった。
指導教員として希望に燃える初任者のよさを引き出し、「学級経営のできる初任者」を育てるため本主題を設定した。
二 研究の見通し
(1) 学級経営に関する指導内容を自校化し、計画的に指導するとともに、
(2) 校内全体で初任者を育てようとする雰囲気を醸成すれば初任者の学級経営の能力が高まるであろう。
三 研究の概要
(1) 初任研に関するアンケート調査
まず、今までの初任者研修の問題点をさぐるため、本校の教員に対してアンケート調査を実施した。その結果、初任研に対して、より実践的な研修を求め、特に、「学級経営」領域については、研修の充実が期待されていることが明らかになった。
(2) 校内研修と校外研修の内容の洗い出しについて
指導内容を自校化する準備段階として、学級経営についての校外(県教委や事務所主催等)と、校内の研修との関連を考え、重複をなくし効率的に進められるようそれぞれの研修内容を調べた。その結果、特に大きな重複はなく、
校外研修 → 校内研修
理論的研修 ← 実践的研修
となり、お互いに補完し合いながら実践力をつけていこうとするものであることがはっきりした。
(3) マニュアルの自校化
初任者研修が現場に即した実践的研修となれば、各学校独自にマニュアルを作成することが望ましいと考え、「学級経営」領域に絞って自校化を試みた。その結果、指導内容がより具体的、実践的になった。また、毎年の初任者研修の貴重な資料となることが期待できる。
〈自校化マニュアルの例〉
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(4) 「初任研だより」の発行
初任研の報告だけでなく、先生方からの励ましの言葉など、人間関係づくりを意識した内容とした。初任者からは、「研修内容が紹介されることが励みとなる」、一般の教員からは、「初任研の内容が伝わり初任者に声をかけやすくなった」との反応が得られた。
(5) 系統的な指導内容の配置と実践学級経営の指導項目を一定期間に集中させ、実践研修を併せて行うこととした。
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