教育福島0210号(1998年(H10)04月)-010page
実態に即して具体化を図る。
イ 学期や月ごとに、重点的な実践事項を明らかにする。
ウ 学期毎及び月毎に評価、改善を行えるようにする。
エ 児童生徒と十分話し合い、その考えを積極的に取り入れる。
3) 各教科、道徳、特別活動の目標の設定
三領域との関連を持たせることが極めて重要であるが、その他に、次の点に留意したい。
ア 重点目標達成の観点から三領域の目標を設定する。
イ 各教科等の目標を単元や題材の学習活動に位置付ける。
ウ 教科等で努力することを児童生徒と話し合い、確認する。
(5) 指導計画の作成
教育目標の具現化を図るため、指導方法、使用教材など具体的な実施に重点を置いたものが指導計画であり、年間指導計画の作成上の留意事項は次の通りである。
1) 地域や学校の実態に即する。
2) 児童生徒の実態に即する。
3) 内容の精選を図る。
4) 前年度の反省に基づく。
5) 計画作成のための組織体制を確立し協力連携による作成作業をすすめる。
6) 弾力性、柔軟性をもつ。
(6) 具体化のための体制づくり
教育目標の達成の最も大きな役割を担うのは教職員である。したがって、教職員の役割を明確にし、教職員一人一人の持つ能力や特性を存分に発揮できるようにするとともに、組織として効果を上げるように学校の実情に即した組織を編成することが重要である。
3 特色ある教育課程の実施
教育課程の実施に当たっては、それぞれの教育活動を児童生徒一人一人がそのよさや可能性を生かしながら、豊かに生きていくために必要な資質や能力を身に付けていく過程を重視することが大切である。
各学校では、次の観点から創意工夫のある指導や評価が必要である。
(1) 新しい学力観に立った学習指導を推進するための工夫
自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力を育成するには、特に次の点に留意する。
1) 児童生徒の側に立ち、主体的な学習活動の場を設定する。
2) 問題解決的な学習や体験的な活動を重視する。
(2) 学習指導の弾力的な展開
児童生徒が自分のよさを発揮し、主体的に学ぶ学習活動を実現するには、次のような弾力的な指導過程を工夫する。
1) より効果的な学習の方向や方法に修正していくために複線型の展開案を準備しておく。
2) 学習活動を充実させるための学習形態や学習の場などを検討しておく。
3) 体験的学習に十分取り組ませたり学習内容を確実に定着させたりして、指導過程を弾力的に展開する。
(3) 児童生徒の資質や能力を伸ばす教材の工夫
児童生徒が自ら考え、判断し、表現するためには、児童生徒にとって魅力的な教材を選択したり、開発したりする必要があり、次の点に留意したい。
1) 複数の教材を準備するとともに、児童生徒の日常生活などを考慮した地域素材を開発する。
2) 児童生徒一人一人に応じる補助的な教材の開発・作成に努め、効果的な活用を図る。
(4) 教職員や児童生徒のよさを生かす工夫
教職員と児童生徒、児童生徒相互の人間関係を豊かにし、互いのよさに共感し合うことができるような学習集団の醸成に努めるために、次の点に考慮する。
1) 児童生徒のよさや可能性を積極的に生かし、一人一人の見方や考え方を大事にする。
2) 個性を伸ばし、個に応じる観点に立ってT・Tの導入などの学習活動を計画する。
3) 異年齢の児童生徒のかかわりを重視した場を設定する。
(5) 教育目標具現化のための評価
児童生徒の目標達成状況を絶えず評価し、その評価を指導法等の改善に常に生かすようにするために、次の点を大切にしたい。
1) 教師、児童生徒の反省や評価を学校や学級経営に生かす。
2) 全職員で定期的に評価を行い、成果や課題を確認し、指導法等の改善を図る。
3) 学年末の評価の際は、評価の対象、観点、基準、方法等を明確にし、次年度に生かす。