教育福島0210号(1998年(H10)04月)-013page

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1) 児童生徒が主体的に活動できる場の設定の工夫

2) 互いのよさや成果を認め合い、励まし合う場や機会の工夫

3) 活動意欲を高め、活動の場や機会を広げる。

(4) 活動を児童生徒に委ね、温かく見守る指導の充実

児童生徒による主体的な活動を展開するためには、活動する過程を温かく見守り、支援する教師の姿勢が大切である。

学級活動や児童会・生徒会活動、クラブ活動において具体的な計画を作成して活動したり、学校行事において児童生徒の願いを積極的に取り入れたり、行事の一部を児童生徒の考えで運営することを考慮したりすることも大切である。

 

五 生徒指導の充実

 

1 生徒指導本来の意義を踏まえて

 

生徒指導の本来の意義は、問題行動等に対する指導援助だけではなく、学校教育全体を通した、一人一人の自己実現を援助する積極的な生徒指導を行うところにある。

(1) 生徒指導の在り方

生徒指導は一人一人の児童生徒の個性の伸長を図りながら、同時に社会的な資質や能力・態度を育成し、さらに将来において社会的に自己実現ができるような資質・態度を形成していくための指導援助であり、個々の児童生徒の自己指導能力を目指すものである。

各学校においては、生徒指導の充実を目指して取り組んでいるが、生徒指導の本来の意義をもう一度全職員で確認し、児童生徒が生き生きと学校生活を送ることができるよう、一層努めていくことが大切である。

(2) 生徒指導の機能を生かした積極的な生徒指導

自己指導能力を育成するためには、生徒指導の機能を生かして生徒指導の充実を図る必要がある。

〈生徒指導の三つの機能〉

○自己存在感を与える

○自己決定の場を与える

○共感的な人間関係を育てる

 

2 各学校の生徒指導の充実

 

各学校においては、すべての教育活動にわたって、生徒指導の機能が十分に発揮されるように努めるべきである。

(1) 自校の課題を踏まえた指導計画

1) 自校の生徒指導の課題を踏まえ、その課題解決のための共通実践事項などを明確にし、学校や地域、児童生徒の実態に応じて、機能する指導計画に改善する。

(2) 指導体制の確立と関係機関との連携

1) 生徒指導主事・教育相談係・養護教諭などの役割を明確にして、全校の生徒指導体制を確立する。

2) 校内にいじめや登校拒否対策委員会等を設け、学校ぐるみで対応できるようにする。

3) 家庭や地域との連携を日ごろから深めるとともに、必要に応じ早めに学校教育相談員や民生児童委員、福祉事務所、児童相談所などの関係機関と連携を密にしながら解決に努める。

(3) 児童生徒自ら解決していく力の育成と授業の充実

1) いじめや問題行動等については、児童生徒自身に考えさせ、自ら解決していこうとする態度の育成に努めることが肝要である。

2) 生徒指導の最大の場である学業指導に力を入れ、わかる・できる授業、一人一人に配慮した授業の充実に努める。

(4) 教員の指導力の向上と教育相談の充実

1) 登校拒否児童生徒やいじめやその他問題行動に対する指導については、実態をもとに事例研究等の校内研修を行い教員の指導力の向上を図る。

2) 教員のカウンセリング能力等を高め、計画的な相談、チャンス相談を効果的に行うとともに日常的な触れ合いを深め、児童生徒理解に努める。

 

六 学年・学級経営の充実

 

学年経営も学級経営も目指すところは、児童生徒のもつ能力・適性を最大限に伸長させ、人間性豊かな児童生徒の育成を図ることにある。

 

1 一人一人の児童生徒が生きる学年経営

 

(1) 学校の教育目標の達成に努める学年経営

教育目標の具現化を図るためには、学年の特質を踏まえた具体的な目標の設定、全学年の教師の共

 

 

 


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