教育福島0210号(1998年(H10)04月)-014page
通理解のもとで教育実践内容を明確にすることが必要である。
(2) 学級経営の中で有効に働く学年経営
具体的な学年目標や方針を確立し、諸計画の立案、基本的な生活習慣のあり方などについて学年内の教師が協力し、組織的に指導援助していくことが必要である。
(3) 一人一人の児童生徒理解に基づく学年経営
教師は全ての教育活動を通して、児童生徒一人一人を深く理解し、学級の枠を超えた指導援助に当たることが大切である。
(4) 教師の力量が生かされる学年経営
学年内の教師がそれぞれの役割を十分認識し、協力して指導に当たることが大切である。
(5) 教師の信頼関係を基盤とした学年経営
経営の効果を高めるためには、相互理解や信頼関係に支えられた望ましい学年教師集団が必要である。
2 活力と充実感がみなぎる学級経営
学級は、児童生徒にとって、学習の場であると同時に生活の場であって、人間形成の重要な役割をもっている。児童生徒の自己実現の場に作り上げることが重要で、教師主体の経営から子供主体の経営に変えることが求められる。
(1) 学級の目標が一人一人の目標に具現化されるようにする。
1) 学級の実態、児童生徒の願いを十分に踏まえた目標にする。
2) 学級の目標と学級の活動とのつながりを具体化する。
3) 学級目標達成のためには、児童生徒にどのような経験や努力をすればよいか学級経営の中に位置づける。
(2) 一人一人のよさを生かした温かい学級集団づくりに努める。
1) 児童生徒の思いや願いを大切にする。
2) 児童生徒のよさを生かした主体的な学習活動や班活動を促す。
3) 児童生徒のよさや教師のよさを相互にかかわらせる。
(3) 主体的に学習ができるよう学習指導の改善を図る。
1) 体験的な活動を重視し、自主的、自発的に学習できるようにする。
2) 児童生徒一人一人の到達目標を具体的に定め、達成できたときの成就感や成功感を味わわせる。
(4) 協力し合い、生き生きと楽しく生活できるように努める。
1) 望ましい人間関係や集団活動を育てるための具体的方策を工夫する。
2) 道徳、特別活動の関連を図り、基本的な生活習慣の定着に努める。
(5) 保護者との連携を深め、「開かれた学級経営」に努める。
1) 家庭との連携を図り、担任の教育観や指導観を理解してもらうよう努める。
2) 狭い「学級に意識をなくし、学年教師集団の中で、チームワークを図り、連携して指導できるようにする。
(6) 豊かな心を育てる教室環境づくりに努める。
1) 人間形成の場にふさわしい美的環境になるように努める。
2) 児童生徒が安心して学習や生活ができる環境づくりに努める。
七 進路指導の充実
学校教育全体を通じ、計画的、組織的、継続的な進路指導を推進して、生徒が将来の生き方を自ら考え、主体的に進路を選択することができよう指導・援助することが大切である。
本来の進路指導を推進するため次のことが求められる。
1 学級活動における進路指導の在り方
(1) 一単位時間の指導計画作成に当たっては、進路指導の全体計画、年間指導計画に基づき、三年間を見通した系統的・発展的な指導が行えるよう工夫する。
(2) 啓発的な体験を学級活動における進路指導と関連づけて指導に当たる。
(3) 保護者参加の学級活動を積極的に取り入れるなど、多様な活動の展開に努める。
(4) 生徒が三年間の進路学習の見通しをもてるように、年度当初に進路学習のオリエンテーションの時間を設けるなど、題材の配列を工夫する。
2 啓発的体験の重視
(1) 啓発的な体験が、進路にかかわるものとして意識されるよう活動内容を工夫する。
(2) 現在の活動がただ単に「体験」し