教育福島0210号(1998年(H10)04月)-034page

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研究実践

 

豊かなかかわりの中で、生き生きと表現する児童の育成を目指して

安達郡白沢村立白岩小学校

 

一 研究のねらい

 

本校では、「知・情・意・体の調和のとれた、心身ともに健全で未来に生き抜く知力・気力・体力の充実した“白岩の子”の育成」を基本目標としている。

子供たちの実態を見ると、授業の中で自分の考えを文章にまとめる力が育ってきている。また、友達同士で素直に思ったことを伝え合うこともできるようになっている。

しかし、相手の話を真剣に聞こうとする意識が十分に育ってはいない。また、自分の考えを相手に理解してもらうための言葉遣いが適切でなかったり、単語の羅列であったりして、お互いの思いを伝え合う会話までには至っていないことがまま見られる。発表においても、恥ずかしがったり、声が小さかったりして、話したい内容を的確にまとめて話す音声表現の力が十分には育っていない。

そこで、特に平成九年度は、「進んで学び、深く考える子供」「礼儀正しく、思いやりのある子供」の育成を重点目標として、学力の向上と思いやりの心の育成を目指して「豊かなかかわりの中で、生き生きと表現する児童の育成を目指して」を研究テーマとし、実践的に取り組んできた。

 

二 主題設定の理由

 

子供たちは自分の伝えたいことが聞き手に共感的に理解されると成就感や自信をもてるものである。そしてその成就感や自信は、さらなる表現意欲へ高まるものと思われる。つまり、日々の教育活動において、子供一人一人が成就感や自信がもてるような豊かなかかわりが大切であると考える。

教師と子供、子供たち同士による豊かなかかわりをとおした諸活動、とりわけ生きた音声言語による活動をとおして身に付けた能力は、他の教科や領域における基礎的・基本的な力となるものである。また、国語科の学習で培われた音声言語にかかわる能力や態度は、学校における教育活動の各場面で実践されることによって定着するという面を持っているものと考える。

そこで、国語科の指導において、音声言語にかかわる基礎的な指導を系統的に行うとともに、学校生活全般における教育活動の中で豊かなかかわりを重視し、生きた言語体験の場を設定していくことが大切であると考え、本主題を設定した。

 

三 研究の内容と組織

 

1 研究の内容

研究にあたっては、「話したい」という意欲をもたせ、よりよく「話せる」という能力を身に付けさせ、「聞いてもらえる」という交流の場の設定を研究の柱とした。これらを有機的に関連させることにより、「豊かなかかわりの中で、生き生きと表現する児童」が育成されるものと考える。そのため、次のような研究部を組織して研究を推進した。

2 組織

○教育課程研究部

研究のねらいを達成するため、学校の教育活動全体から改善内容を検討する。

○国語科研究部

主として音声言語「話すこと」に関する内容の研究を推進するとともに、国語科授業の改善を図る。

○特別活動研究部

豊かなかかわりの体験の場をどう充実させるか、という視点から指導内容を見直し、改善を図る。

 

 

 

 

 


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