教育福島0211号(1998年(H10)06月)-029page
体が残念でなりません。強い意志を持ち入部してくる生徒もいる一方で「運動部は中学だけでいいんです」と言う生徒もいます。以前に他の部を担当していたときの「中学の時は一生懸命やって来ました。だけど土日は保護者と一緒に遠征に行くので休みが有りませんでした。自分がありませんでした。だから高校では運動部には入りません」と話した生徒が記憶に残っています。だから顧問として意識的に生徒たちをリフレッシュさせる必要があると考えています。
私がテニス部の生徒に望むる事は、学習優先、良い生活態度、テニスを好きになり上への目的を持ちプライドを持つ事です。テニスの技術指導については私自身が常に新しい事を学びながら与えて行きたいと思っていますが、学習や生活態度、進路までも部活動の中で指導する事も顧問として必要な事だと考えています。この様に考えて一年から指導してきた三年生はあと少しで引退となります。
船引は中通りでも雪が多く二月には雪掃きをしながらコートを作り練習をしてきた生徒たちで、私自身が学んだり感じた事を生徒に伝え、子供たちはそれを実践してきました。信じて練習についてきた事も嬉しく思います。今、県大会で幾つか勝ち抜く力はついてきましたが、もっと上を目指さなければいけないと、私自身生徒とともに気を引き締めています。
私自身まだまだテニスを考え、悩みこだわる必要があります。悩みながら生徒と時間を共有し、多くの指導を与えながら試合に臨み、自信とプライドを持った選手になることを願っています。このような考えをもって学年の経営にもあたっていきたいと考えています。
(県立船引高等学校教諭)
ドンマイ!次!次!
小野則夫
私は、中学・高校・大学とサッカーを続けてきた。その中で忘れられない思い出がある。決勝戦という大事な試合で、自分のチームのゴールにボールを入れてしまった先輩のことである。もちろんやむ得ない情況でのミスではあったのだが……。残り時間も少ないときに○対一となり、チームの誰もががっくりと肩を落とした。そんなとき、「ドンマイ!次!次!」と、大声を出しながら必死にプレーを続ける選手がいた。先ほどの先輩Sさんである。私は、Sさんの芯の強さに驚いた。もし私がSさんの立場だったなら、「みんなにすまない」という気持ちばかりが強くなり、声も出ず、プレーも消極的になってしまっていたであろう。あるいは、逆に投げやりになってしまったかもしれない。
Sさんだって自分のミスについては気にしていたに違いない。だが、「今、自分がやるべきことは何か」を考え、「それを実行しなければ」と思ったのだろう。「ドンマイ!次!次!」の言葉を口にするSさんも、内心は辛かったはずであるが、それは、チームの仲間と自分自身に対する激励、そして、自分の責任を果たそうとする意思表示だったのではないだろうか。
Sさんは、普段からそういう人であった。チームが勝っているときには、気を引き締めさせ、負けているときには、最後まであきらめないよう訴え、自らのプレーでそれを示した。テクニックの面から言えば、チームの中にはSさんより上の人は何人かいたが、Sさんの存在は不可欠であり、まさにチームの大黒柱であった。
サッカーは、ピンチだからといって、作戦タイムを取ることはできない。監督からの指示は出るが実際にゲームの流れを変えることができるのは、フィールドの中にいる選手自身である。チームが苦し