教育福島0211号(1998年(H10)06月)-038page
養護教育センター通信
教育相談から
子供の心に寄り添って
相談・啓発系
一 はじめに
養護教育センターは昭和六十一年の開所以来、障害のある乳幼児、児童生徒について悩みや不安を抱いた保護者や、日々の指導に携わっている先生方、子供を取り巻く関係者との教育相談を行ってきました。
ここでは、養護教育センター所管の相談事業の概況と事例を通して子供の心に寄り添ったかかわりについて考えていきます。
二 相談の概況
養護教育センター所管の相談事業は次の三形態で行っています。
《養護教育センターでの相談》
月曜日から金曜日に相談を行っています。電話等で相談の申し込みをしていただきます。
《地域相談室相談》
身近な所で相談ができるように、聾学校の各分校に相談室を設置し、月曜日から金曜日まで相談を行っています。
・県北地域相談室 〇二四-五三一-五〇一三
・会津地域相談室 〇二四二-二二-一二八六
・浜通り地域相談室 〇二四六-三四-二二〇二
《巡回就学相談》
県北、会津、相双、いわきの四地区で乳幼児から小学二年生までを対象として夏休み中に実施します。
平成九年度の形態別の相談概況は(表1)のとおりです。
養護教育センターでの相談では情緒障害に分類される相談が目立っています。これらの相談の主訴は、「落ち着きがなく集中して活動できない、友達と上手にかかわれない、学校に行けない」などが多く、ここ数年来、この傾向が顕著になってきています。
地域相談室相談では病弱・虚弱や精神薄弱に分類される相談が多く、次いで重複障害、視覚障害、聴覚障害となっています。障害に対応した盲・聾・養護学校の先生に相談員を委嘱しています。
巡回就学相談では平成九年度に初めて情緒障害に分類される相談が、精神薄弱を上回りました。障害の多様化が言われていますが、マスコミなどで学習障害、多動、集団不適応などについて取り上げられることが多くな
表1 形態別の相談内容
障害
形態件数 視覚 聴覚 精薄 肢体 病弱 言語 情緒 重複 その他 計 養護教育センターでの相談 実件数 4 3 70 20 4 24 158 3 21 307 延件数 12 8 434 88 16 116 904 6 60 1,644 地域相談 実件数 33 24 82 13 88 5 23 34 8 310 延件数 210 359 296 51 224 68 168 163 20 1,559 巡回相談 実件数 1 0 30 9 2 12 32 1 3 90 延件数 1 0 30 9 2 12 32 1 3 90 計 実件数 38 27 182 42 94 41 213 38 32 707 延件数 223 367 760 148 242 196 1,104 170 83 3,293