教育福島0212号(1998年(H10)07月)-025page

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PTA活動に思うこと

渡辺栄司

 

こともなく会長になることなど自分にとっては信じがたいことだったからです。

 

「学校のこともPTAのことも全くわからないので、皆さんのご協力をお願いします」これが私の会長就任時の最初のあいさつでした。というのも、それまでは学校にほとんど顔を出したこともなく会長になることなど自分にとっては信じがたいことだったからです。

このような私が言うのもおかしいのですが、これまでの活動をとおして感じるのは、PTA活動に対する父親の参加率の低さです。父親の我が子に対する教育力の低下が指摘され、父権の回復が叫ばれる今日ですが、それを肌身で痛感させられたわけです。

そこで、本PTAでは、父親も含めた「家族のふれあい」を重視し、『学校・地域・家庭の連携とふれあいを深める』を目標として活動を展開することにしました。中でも、県や村・地区老人会との協力で行う農業体験学習(米づくり)や親子のふれあいを重視した学年活動の充実に力を注いでいます。特に、農業体験学習は、本村が農業の盛んな地区ということもあり、子供たちが行う田植えの経験が家庭でも共通の話題となり、家族のふれあいを深めることに大変役立っています。また、この学習が地区の老人会の方々の指導によって展開され、活動後に子供たちと老人会・PTAとの交流の場も設けてあるということで、地域とのふれあいを深める貴重な活動にもなっています。

家族のふれあいと地域の人たちとの結びつきの深まりは、子供たちのよりよい成長を支える土台となります。そのような意味で、今後もPTA活動を通して、学校・地域・家庭のふれあいが少しでも深まるよう、活動の見直しと改善を図っていきたいと考えています。

最後になりますが、本PTAでの活動は、できるだけ会員の手で進めるようにしています。文書や資料の作成も会員で行い、各委員会や学年行事等でも独自の資料を作り、発行しています。

自分の力でできることは自分たちで行い、学校の先生方の手を煩わせないPTAだからこそ、本当の意味で学校や地域と連携できるPTAになれるのだと思っています。

(北会津村立川南小学校 父母と教師の会会長)

 

生徒と自分の距離

橘健一

 

目は輝きに満ちていました。四月三〇日の三年生の体育の授業後の一コマです。

 

「先生、今日の一、○○○メートルのタイム十五秒短縮できました」大きな声で大喜びして来る生徒の目は輝きに満ちていました。四月三〇日の三年生の体育の授業後の一コマです。

今年から『授業を振り返って』ということで、毎時間の授業終了後に、反省や感想、最近悩んでいること、うれしいことなどを自由記述で書かせ提出させています。真剣に授業を振り返り、ノート一枚に書いてきてくれる生徒も中にはいます。毎日そのノートを見るのが私の楽しみでもあります。一生懸命書いてきてくれたノートには、私からも感想やアドバイスを朱書きしたり、丸や花丸をつけたりして、その日の学活で返すようにしています。部活動でも、バレーボール部、陸上競技部一人一人のトレーニング日誌を点検して返しています。

毎日私の机の上には、生徒たちの汗と努力を振り返った、紛れもない真実の言葉を記したノートが山積みになっています。多いときには百五十人分に目を通したりもします。それは生徒の心を知る上で、また自分との距離を確認するためにとる大きなコミュニケーションだと思います。このことを続けて四ヶ月以上たった今現在「生徒と自分の距離」すなわち生徒たちが何を考え、悩み、訴えようとしているのか少しずつ見えてきたような気がします。

言葉の持つ力は大きなもので、それは私自身にとって日々努力を重ね、生徒理解を深めていかなければいけない大きな課題として捉

 

 

 


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