教育福島0212号(1998年(H10)07月)-026page

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えています。徹底して教え込む部分と、思いきって褒める部分のメリハリをつけてあげれば、どんな困難なことでも乗り越えられる生徒が育ってくれる気がします。

以前、先輩体育教師から教えていただいた言葉があります。

未熟な教師は子供を教える。

円熟した教師は子供を理解する。

賢明な教師は師範する。

偉大な教師は子供の心に灯をともす。

最後の文章の、子供の心に灯をともせる教師をめざして日々努力していきたいと思います。

「先生、最後は何でも自分自身との戦いですよね」

三年生のIさんの一言です。

(舘岩村立舘岩中学校教諭)

 

悩みの壁にぶつかって

曳地晃一

 

生活環境が大きく変わり、戸惑いながらも、教師としてなんとか頑張ってきた。

 

小名浜第一小学校に初任者として赴任以来、早くも一か月が過ぎた。この間、生活環境が大きく変わり、戸惑いながらも、教師としてなんとか頑張ってきた。

しかし、私の頭にあった教師としての理想像と現実とはかけ離れており、現実の壁に頭を抱えてしまうことも多かった。

その一つに学級経営がある。

私は、大学で四年間打ち込んできたアメリカンフットボールでの体験を生かし、子供たちに接しようと思っていた。

四年生の時、学生の体育会離れによる部員減少と下級生の不満解消のため、それまでのコーチングや運営について、「説得と納得」をモットーに大改革を行ったことがある。

それは、上級生が絶対であるという体育会の風習をやめ、多くの意見を取り入れ、納得いくまで話し合う。そして、良い点をほめて後輩を動かし、楽しく練習して良い成績を残そうというものである。

結果的にも、満足いく成績は残せなかったが、私が理想とする部の姿に近付けたのではないかと満足している。

こうした経験から、子供たちを指導する上でも、いつも笑顔で接し、何か悪いことをしても大きな声を出すのでなく、なぜそれが悪いのか、きちんと理由を説明し、理解させていこうと思っていたのである。

しかし、現実はそんな簡単ではなかった。納得させようと説得しても、子供は同じ過ちを繰り返してしまう。他の学校を見学させていただくと、私自身、自分の学級との差に愕然とさせられてしまう。自分の力のなさと教師として求められるものの重さにうちひしがれてしまうことも多かった。そして、いつの間にか、いらだち、子供を怒ってばかりいるようになっている自分に気がついた。

しかし、ある時、友人に「誰も君に教師としての百%を求めてはいない。十%しかできないなら、その十%を精一杯やりなさい。そして自分の理想を忘れてはいけない」と言われたときは、目からうろこが落ちる思いであった。私は、自分の理想である笑顔でいることを忘れてしまっていたことに気付いた。もう一度、最初に教室に入ったときの気持ちに立ち返り、自分の理想とする教育を目指そうと思うことで、悩みから救われた。

このような悩みには、これからも何度も出会うことだろう。しかし、自分の理想の教師像を目指しながら、子供の笑顔を愛し、子供たちの夢の実現を手助けできる教師になれるよう、全力で頑張っていきたい。

(いわき市立小名浜第一小学校教諭)

 

はじめの一歩

阿部裕美

 

仕事への期待と不安ではじまった。しかし、教職員や児童、そして保護者や地域

 

今の職場に赴任して三年目を迎える。二年目に、はじめて体育主任の一歩を踏み出し、仕事への期待と不安ではじまった。しかし、教職員や児童、そして保護者や地域

 

 

 


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