教育福島0212号(1998年(H10)07月)-041page
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ペーパークラフト作り
がらパソコンの活用を進めた。操作に慣れ、キャラクターに馴染んだ所で、好きなキャラクターや着せる服を選び印刷させた。自分でパソコンを操作し、自分で印刷した台紙を使えば、その後のペーパークラフトの紙折りや、はさみを使った活動にも進んで取り組む気持ちができるだろうと考えた。
そこでA子に「ペーパーペコラ」を提示し、動かし方を教え、数時間自由に操作させてから好きなキャラクターを印刷させた。A子は印刷された紙をじっと見ていたが、「切ってみるかい」と声かけをしたところ、しばらくして、「うん」という返事が返ってきた。これは、はさみを扱う活動では、はじめて聞いたことばである。はさみを使っている時も、途中で、「先生やって」という発言がまったくなく、自分のやったものへの満足感が見られた。
これらの様子から、新しい活動へ挑戦する意欲に対して、パソコンは大きな役割を果たしたと考えられる。
このパソコンを使用したペーパークラフトは、あと数回行う予定である。その間にできるだけA子の主体的な活動を大切にしながら、はさみを使った活動に慣れ、自信を持って取り組めるよう計画を立てていきたい。
5) 研究の成果と課題
実際の授業でのパソコンの活用については、画面の動きに集中し、意欲的に行っている。映像・音声・動きのある教材としてのパソコンの活用が学習への集中力を生むのだと考える。今回の教材としての利用では以下のような成果があげられる。
一 適切なソフトの選択により、工作活動(はさみの使用)等に対する意欲付けがなされた。
二 映像・音声などの刺激により、学習への集中力が生まれた。
三 入力装置の工夫で、「自分でパソコンを動かしているんだ」という充足感が得られ、活動範囲が広がった。
四 家庭での余暇の過ごし方の一つに「パソコンで遊ぶ」が増えた。
ソフトの選択・入手については、パソコン通信やインターネットを使い、子供にあったソフトを安価に、容易に入手できると考えたが、初心者には難しい。費用についても、さまざまな条件により目的のソフトを選択するまでかなりの費用がかかった。今回は、パソコン通信を中心に利用したが、インターネットでは、「サーチエンジン」と呼ばれる検索のホームページがあり、そこの検索の欄に「特殊教育」・「障害児教育」等入力し、「検索」ボタンを押せば、関係するホームページのリストが現れる。また、リストをクリックするだけで、そのホームページへジャンプできる。しかし、教育用ソフトのダウンロードとなると、パソコン通信のようにまとまっているという形ではなく、それぞれのホームページに分散しており、自分の必要としているソフトを調べるだけでも時間がかかってしまう。中には「VECTOR SOFTWARE PACK (http://www.vector.co.jp/)」の様に教育用ソフトをまとめてダウンロードできるホームページもある。現在のところ、インターネットでは、ホームページやニュースグループでの情報の収集・発信が中心であり、情報に関しては世界的規模での収集が可能である。
他の方法でソフトを簡単に入手できる方法を考えてみると、パソコンソフトのライブラリセンターとそのデータベースがあり、いつでも利用できるのであれば、入手しやすいと考える。以上のことから、養護教育にパソコンを活用する意義は大きい。パソコンソフトのライブラリとデータベースが設置され、いつでも利用できるようになれば、さらにパソコンの授業への活用も増えるのではないかと考える。
使用機種:Apple Powerbook 540C
使用ソフト
〔こどもペイント Ver.1.0〕
関谷成美(Nifty ID: SGQO1573)
〔ペーパーペコラ VOL.2 −ペコラにつのがはえた!?−〕
NECインターチャンネル株式会社
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