教育福島0213号(1998年(H10)09月)-025page
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の終わりからである。この間、いろいろと取り組んだが、なんといっても両親が変わっていったこと、特に、母親が自信を持って大きな心でK子を受け入れることができたことが立ち直りの主因だと思っている。
今、K子は高三になり、進路に向かって取り組んでいる。本当の笑顔が見たくて無我夢中で取り組ませたK子。教員二十年の私に新たな発見や経験をさせてくれた。今後もこうした子供たちに手助けができれば幸いだと思っている。
(棚倉町立棚倉小学校教諭)
水の力
山内誠
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「美味しんぼ」の第一話は豆腐。決め手は国産大豆と水だった。喜多方のラーメンが美味しいと全国的に有名になった。今はないが地元チェーン店の中で喜多方店が一番だった。山都・高郷のそばも美味しい。もちろん雪深い会津の水が引き立てているのである。
水道水は日本全国どこでも安全で、蛇口をひねればとりあえず飲める水が出てくる。こんな国はないという。しかし、東京の水はさすがに飲めない。そこでアルカリイオン製水器や浄水器が売れる。水道の水質が悪いのか健康志向なのか、誰もが以前より「水」に関心を持つようになったことは良いことだ。
今では水を買うことが一般化した。日本人は「水と安全はタダ」と信じていたのに。コンビニでも六甲やアルプスの水が置いてある。最近はどこででも地元特選の天然水を売っている。勿論出かけるとすぐ地元の水を買って試す。先日は「奥入瀬の水」を飲んだ。まろやかで爽やかな水だった。しかもその風景が頭に浮かんでくるから不思議だ。もう水を買うことには抵抗がない。もちろん水の付加価値を期待している。
全国名水百選黒部川扇状地湧水群「穴の谷(あなんたん)霊水」は奇病難病に効くと全国から病に苦しむ人が集まる。修験者の霊場として有名なこの地には観音菩薩や薬師如来が奉られ、そこで水を汲み祈願すると霊力があらわれるという。化学的な成分分析数値はあるが、それよりも「霊水」に効果がありそうだ。澄み切った柔らかい水だ。近くに城山の湧水もある。どこも長蛇の列が続くが、さすがに観光客はいない。秋田の六郷湧水群にも名水百選がある。町の至る所に湧水があり、飲んだり洗濯に利用したりと地元の生活を支えている。万病に効くといえば秋田の玉川温泉も有名だ。岩盤浴でも空気を吸うだけでも効果がある。温泉は強酸性のため薄めて飲用する。
天然水はどこか不思議な力を秘めている。だからこそ、その水の力を信じ求めることが大切。それが最高の贅沢かもしれない。
前任地只見では不老不死の水を飲んで過ごした。しかも毎晩飲んでいたらいつの間にか仙人になった。これも霊水の威力だろうか。
(県立会津農林高等学校教諭)
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