教育福島0213号(1998年(H10)09月)-036page

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研究実践1)

 

平成9・10年度 文部省指定人権教育研究推進校

研究主題

一人一人の人権を尊重し、認め、支え、磨き合う生徒の育成

〜一人一人の実践力を高める指導はどうあればよいか〜

 

桑折町立醸芳中学校

 

一 主題設定の理由

1 今日的課題から

人権教育のための国連十年や児童の権利条約など、人権に関わる諸問題が身近になり、生徒の自己主張や権利意識の高揚など、人権教育の充実を図る必要がある。

2 教育目標から

本校では、「心身ともに健康で、正しい判断力と旺盛な実行力を有する社会人としての資質を養う」ことを目標とし、自他を認め合いながら、「英知・活力・気品」を育てることを目指している。

3 生徒の実態から

これまで、生徒主体の授業展開や意欲的な学習集団づくりの工夫、生徒会を中心とした校則の見直し、いじめ問題等についての討議を通して、生徒の意識の高揚を図ってきた。その結果「自己に関する生徒の人権意識」は高まったが、「他の立場や心情を尊重して望ましい行動をとろうとする意識」はまだ希薄である。

以上のことから、自分も他人も大切にする人権尊重の精神を養い、互いに認め合い、支え合う実践を通して、豊かな人権感覚を磨き合う生徒の育成を目指すことが急務であると考えこの主題を設定した。

 

二 主題についての考え方

1 「認め合う」ことについて

自他の存在と価値を認め合う働きかけを「個」と「集団」の両面から行い、人権感覚を育てる。

2 「支え合う」について

自他のかかわりをより深くとらえさせ、支え合うことの大切さに気付く実践の積み重ねを通して、人権尊重の精神を具体的に体得させる。

3 「磨き合う」について

現実にある人権に関する諸問題や、学校生活での身近な問題についての学習や話し合いをもとに、豊かな人権感覚を磨き合う。

 

三 研究仮説

道徳・特別活動及び各教科の指導において自己を見つめ、互いの価値を「認め合い」「支え合う」心情を育み、実践を積み重ねるために次の手だてを取れば、自他を大切にする豊かな人権感覚を「磨き合う」ことができるであろう。

○人権感覚を育む指導過程や教材の工夫

○一人一人を生かす学級づくり

○立場や個性を認め合い・支え合える活動の工夫

 

四 研究内容・方法

道徳・特別活動・各教科の指導において、次の点に重点を置いて実践研究を行う。

1 道徳

○自己認識への働きかけを行う指導過程・教材を工夫する。

○自他のかかわり合いを見つめ、個の尊厳を自覚し、他を思いやる心を育む。

2 特別活動

〇一人一人を生かす学級づくりを工夫し、実践の土台とする。

○豊かな人権感覚を育む場、実践に生かす場を設定する。

3 各教科

○各教科ごとに人権教育にかかわる内容を年間指導計画に位置付ける。

○自他の能力や個性を認め、尊重しながら互いに磨き合う学習態度を育成する。

 

五 研究組織

次の組織により、本校の教育課題を踏まえ、先進校視察、文献研究等から研究の方向性を模索し、研究推進委員会が具体的提案をしながら、全校体制による授業実践を土台とした研究を進めた。

 

 

 


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