教育福島0213号(1998年(H10)09月)-038page
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研究実践2)
「共感関係をもとに子供の可能性を伸ばす指導」
福島県立あぶくま養護学校
本校では、児童生徒一人一人が自己を素直に表現して学習に取り組み、楽しく充実した学校生活を送っていけるようにと願っている。
そのためには、児童生徒が現在の学校生活を生き生きと「生きる」ことができるように、教師は学習内容を吟味し、環境条件や教材・教具を整備するなど支援体制に十分留意する必要がある。しかし、現実には目標や内容の設定がうまくいかず、学習が成立しにくくなっていることなどがあった。
そこで、平成七年度(開校二年目)から、「一人一人の特性を把握し、共感関係を手がかりとして児童生徒の可能性を伸ばす指導」を研究主題として掲げ、四年計画の実践研究に取り組んでいる。
一 主題設定の理由
児童生徒は、さまざまな方法で自分の気持ちを伝えようとしている。しかし、児童生徒の多くは、それを適切に表現することができないでいる。そのような児童生徒に対して、教師が丁寧に行動の読み取りを行い、応えていくことを繰り返していけば、かかわりが深まり、共感関係が成立していくのではないかと考える。
そのためには、活動や体験を共有し、活動の過程で生じる感動を共にわかち合えるように対応(共感)していくことが大切である。このようにして深まった関係が信頼感を生み、児童生徒は自分らしさを発揮して、楽しく生き生きと学習活動に取り組むことができるようになるものと考える。(図1)
二 研究内容と組織
研究にあたっての基本方針として、「見る」、「認める」、「生かす」指導を心がけることにした。そして、研究主題に基づき、本校の教育課題を解決するために、教師自らが考え、取り組もうとする内容を設定し、学部の枠を越えた10グループ編成により、実践的研究を進めることにした。(図2)
三 「子供を主体とした授業づくりグループ」の実践
私たちは、子供の実態を把握するために、さまざまな場面でのかかわりが大切だと考えている。
かかわりを深めることで子供と教師の間により良い関係が築かれ、それを基盤として教師の支援を受けながら、子供は意欲的に学習活動に取り組んでいく。
しかし、子供からの欲求やサイ
図1 研究の全体構造図
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図2 研究組織
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