教育福島0213号(1998年(H10)09月)-043page

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1) ショック(混乱)

2) 見立ての間違いに違いない(否認)

3) どうして我が子が(悲しみと怒り)

4) 我が子はこういう子供(受容)

5) 子供の将来を見据えてがんばろう(再起)

6) 子供と共に(適応)

〈保護者の心情の変化〉

 

多くあります。このようなケースでは、ほとんどの母親が「もっと早くこのような相談機関を知って、相談に来られれば良かった」と話されます。次のような内容を網羅した教育相談が早い段階から継続的にきめ細かに行われれば、保護者の不安が早い時期から解消され、就学の時期になってあわてることなく我が子にふさわしい学校の選択がなされるものと思います。

 

1) 子供の障害そのものについての理解

2) 子供へのかかわり方の将来の見通し

3) 必要な療育や教育の内容とその場に関する情報

4) 子供に関係する(親の会・支援団体・公的サービス)情報

5) 専門機関(医療など)の情報

 

二 子供の支援

子供への早期からの支援には、1)保護者(家族)による養育、2)医療が中心になる療育(治療や障害状況の改善のための訓練など)、3)保育・幼児教育、4)就学前教室(盲学校、聾学校)5)早期教育(聾学校幼稚部、幼児のことばの教室)、6)地域のサービス(市町村保健センターの「乳幼児の育成指導事業」、公民館活動や在宅ケア、レジャー施設の優待など)等、様々あります。

これらの支援がそれぞれ適切に子供に働くように、子供の特性に応じたきめ細かな対応が行われるとともに、連携を大切にしながら継続的にかかわることが大切です。

三 子供を取り巻く人々(地域)の支援

子供たちの多くは今生活している地域で成長し、社会的に自立していきます。子供たちが地域の中で生活していくためには、地域の理解が必要不可欠です。地域に住む人、かかりつけの医師や看護婦、保健婦、保母といった、誕生と共に子供とかかわりを持つ人々が、地域ぐるみで子供とその保護者を支援していきたいものです。その意味で、相談機関ばかりでなく、地域にある学校(小・盲・聾・養護学校)が地域の子供と保護者を支えるための相談機能をさらに発揮していくことが望まれます。当センターでは、県内各関係機関との「早期教育相談連絡調整会議」や広報・啓発等を通して、各地域で早期からの相談が必要に応じて進められるよう支援しています。

地域の人一人一人が、地域にある関係機関が、障害のある子供の社会的援助資源(子供が援助する際に有効に働くと考えられるもの)に他なりません。

 

3) 早期教育相談の在り方

 

これまで述べてきたことが地域の中でうまく機能していくことで、子供が家族と共に、地域で、あるがままに当たり前に生活できること(ノーマライゼーション)が可能になるのだと思います。

 

<地域における子供・保護者の支援の例>

 

<地域における子供・保護者の支援の例>

 

最後に、障害児の母親の言葉を紹介します。(横浜障害児を守る連絡協議会研究会、一九九七)

最初は何で私がこんな目に…と思いましたが、子供の笑顔に支えられて少しずつ成長していくことで、障害児の親という意識がなくなってきたように思います。また、この子のおかげで心からの友人ができたし、周りの人たちにも助けられ、夫婦の絆も深まったと思います。

引用文献

○愛甲修子(一九九七)障害のある子供の家族支援調査報告書、千葉大学教育学部太田俊己研究室。

○横浜障害児を守る連絡協議会研究会(一九九七)私たちが願うふつうの暮らし-連絡協生活実態調査から見てきたもの-。横浜障害児を守る連絡協議会。

 

 

 


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