教育福島0214号(1998年(H10)07月)-007page
ヘール・ボップ彗星(一九九七・三・一〇)
開発を急ぐばかりに後手になった粗大ゴミ回収など宇宙の掃除がこれからの大きな課題となってくるでしょう。
さて、地上に目を向けて、ゴミなるものを考えてみると、車の窓からタバコや空き缶などをポイッ!!と捨てる。これは悪意があっての行為ではなく、習慣性によるものかも知れません。学校で、この善悪を教え込まれるのではなく、親から代々受け継がれたあたりまえの社会のルールです。また、降り積った雪を生活道路に平気で出す事や、うちの天文台周辺で毎夜のように繰り広げられている車によるドリフトと呼ばれている行為(騒音を撒き散らしスピンする)など「人がやってるから。みんなやっているから悪戯は無いんだ!!」と正当化し平気な顔をしている。
国をあげての宇宙に関する壮大なる計画でさえ、決断を迫られる事もあれば、身近な行動にも性格的なものが現われ、学校教育にゆだねる項目でなく自主的に学ぶことが多くあるものです。中には責任の所在を家庭でなく学校教育にあると転嫁するようなことさえ見られる社会情勢、パソコンのインターネットで居ながらにして日本はもとより世界情勢をリアルタイムで捕えることができる現代において、教育関係者も教育信念を揺るがないものにしてほしいし、教育を受ける側も、家庭環境や「しつけ」をしっかりとして社会環境により良く順応する個性を身につけた人間になってほしいと思っています。
【著者紹介】
大野裕明・おおのひろあき
〔略歴〕
一九四八年 福島市生まれ。
一九八〇年 インドのボンベイで皆既日食観測に成功し、ハレー彗星やオーロラの美しさを求め観測に出掛ける。
一九八六年 ラジオ短波で天文解説の番組を担当する。(七年間)
一九九〇年 テレビや新聞、雑誌等で天文解説や講演活動をする。
一九九一年 滝根町・星の村天文台台長となる。
一九九五年 地球環境保全と星空継続観測の功績で"環境庁長官賞"受賞。
一九九七年 ふくしまFM番組審議会委員。
一九九八年 第十五回"NHK東北ふるさと賞"受賞。
現在、福島天文同好会会長、白河天体観測所(「星になったチ口」の天文台)写真観測、広報担当官
〔著書〕
見ておもしろい星雲星団案内
図説、天体観測入門