教育福島0214号(1998年(H10)07月)-012page
学校の通常の学級で学んでいますが、学習上のつまずきや困難、行動上の問題による集団生活への不適応があり、学級担任はその指導に課題を抱え、具体的な対応策に苦慮しているのが現状です。(図2)
このような状況の中で、学習障害児等の教育相談では、通常の学級における支援の在り方や家庭と学校との連携の在り方を考えていく必要があります。そこで、養護教育センターでは、個別の「支援シート」で一人一人の特性を把握し、保護者や学級担任と個に応じた対応について話し合っています。
図2 平成9年度学習障害児(LD)等の在籍学級別相談件数
六 個別の「支援シート」を活用した教育相談
まず始めに、子供の状態像を明らかにするために、家庭や学校における子供の実態について情報を収集し、「心理・教育アセスメントシート」に整理します。
その後、「心理・教育アセスメントシートとを分析し、保護者や学級担任の願いに添って個別の指導や配慮を検討し、「支援シート」を作成します。その際、次のような点に留意する必要があります。
・ 本人の学習上の困難の状態に応じた課願の指示、学習環境の工夫等により学習に落ち着いて取り組めるようにする。
・ 同時に多くの課題を解決しようとせず、一つ一つ解決できるように、本人が達成可能な課題を段階的に設定する。
・ 長所や得意な面を伸ばすことにより、弱い面や不得意な面の改善への意欲を高めるようにする。
・ 主体的に活動できる場の設定や意欲の喚起に努め、成就感や達成感を味わうことがで
きるようにする。
・ 自信をもって行動できるように、本人の能力を認め、ほめる場面を多くする。
・ 学級担任が本人の良い点を他の子供の前でほめることなどを通して、本人を認め、受
表1 傷害別の相談件数
年度
種別昭和61 昭和62 昭和63 平1 平2 平3 平4 平5 平6 平7 平8 平9 視覚障害 2 3 9 11 11 3 9 4 3 0 5 4 聴覚障害 25 29 17 19 21 14 13 9 12 5 2 3 精神薄弱 51 39 58 71 69 74 78 85 78 82 63 70 肢体不自由 13 15 27 22 19 12 29 25 24 13 18 20 病弱・虚弱 4 3 10 2 3 3 2 3 5 6 4 4 言語障害 8 15 8 10 19 18 15 26 14 13 21 24 情緒障害 28 38 87 125 151 151 126 158 173 160 156 158 重複障害 6 4 10 8 3 6 8 17 22 10 2 3 その他 12 4 27 17 33 17 13 7 11 13 9 21 計 149 150 253 285 329 298 293 334 342 302 280 307
表2 情緒障害の相談件数
年度
内訳平5 平6 平7 平8 平9 不登校 79 85 84 76 73 学習障害等 25 34 31 27 45 白閉症 28 29 21 14 16 縅黙 12 13 5 4 5 その他 14 12 19 35 19 計 158 173 160 156 158