教育福島0214号(1998年(H10)07月)-013page

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け入れることができるように援助する。

・ 一緒に遊ぶ時間を設けるなど、学級担任とのコミュニケーションを深めるようにする。

・ あいさつ等を通して、社会生活技能(ソーシャルスキル)を高めるようにする。

・ 好ましくない行動は、その場で本人に理解できるように指導する。

 

「支援シート」を活用し、母親がかかわりの手だてを自己評価することにより、今まで叱ることが多かった母親が、「意識して良い点をほめることによって、安心して穏やかに子供とかかわれることができるようになった。」という話が聞かれたり、相談を始めた当初は「学校の対応に問題があって、家庭では特に問題はない。」と言っていた母親が、家庭での課題を見つけ、学級担任と連携した支援ができるようになるなど、子供に対する行動の見方に変化が見られます。

一方、学級担任は、母親との情報交換によって、本人や家庭に対する理解を深め、本人の学習や行動上の問題に応じたかかわりの手だてを得ることができます。

このように、家庭、学校、養護教育センター等がチームでかかわり、複数の目で子供を見て手だてを考えることが重要であり、個別の「支援シート」の作成と活用は有効な一手段と考えられます。

 

表3 心理・教育アセスメントシート

 

表3 心理・教育アセスメントシート

 

表4 支援シート

 

表4 支援シート

 

七 小学校通常学級における指導事例

 

1 児童の実態(A君、小学六年)

行動特性、認知能力の発達のアンバランス、WISC-Rなどの各種検査の結果等から、知能発達の遅れのない学習障害、注意集中困難及び多動障害と診断され、精神科医の治療と養護教育センターの教育相談を受けていました。

教科の学習においては、注意の集中の時間が短く、授業中の離席が時々あり、学力は全体的に遅れが見られます。特に、漢字の読み書きや作文が困難で、リズムを取ることや運動することを苦手としています。

言語理解や表現力が乏しいために、言葉によるコミュニケーションが取りにくく、結果として友達関係も希薄でした。また、対人関

 

 

 


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