教育福島0214号(1998年(H10)07月)-021page

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たテーマ学習をとおして〜

○数学

数学1)における基礎的・基本的事項の定着を図るための研究

〜数学科におけるティーム・ティーチングの研究とその試み〜

○理科(生物)

生徒の到達目標を明確にした指導計画の作成とその利用 〜基礎的・基本的事項の定着を図り、学ぶ意欲を高める指導を通し、理科離れを止め、自ら学ぶ意欲・知識を身に付けさせる〜

○保健体育

生涯にわたり自ら進んで運動を計画的に実践する習慣の育成

〜選択制授業をとおして〜

○芸術(書道)

表現するよろこびを育てる研究

〜基礎力を高め、表現力を身につけさせるための指導〜

○外国語

アルファベットに親しむ研究

実践 〜英検三級の資格取得をめざして〜

○家庭

被服実習における基礎縫いの知識と技術の定着に研究

○商 業

簿記能力検定三級全員合格をめざして 〜研究主題を達成するための指導計画、指導内容、指導方法の工夫〜

 

家庭科授業風景

 

家庭科授業風景

 

五、研究の成果と今後の課題

 

1 研究の成果

かつては、耶麻方部における女子教育の中心校として伝統と実績を誇っていた本校も、地域の過疎化や少子化の波を受け、ここ数年は高校入試においても定員に満たないという不本意な状況が続いた。進路面でも学力の不足から希望が実現できない生徒も見られた。このような現状を打破するために、すべての面で原点に立ち返り、生徒の学力向上のための方策を模索しようとするのがこのたびの研究の主眼であった。

そのため、各研究班がそれぞれに具体的実践を進めた。その結果、生徒が少しずつ変容し始めている。漢字テストの平均点の上昇や、苦手を克服しようと教師に数学の問題を質問する生徒たちの姿、英語検定試験の受験者数・合格者数の増加など、いずれもこのたびの研究活動がもたらしたものである。

目に見えないところにも効果は表れてきている。かつてはあきらめが先に立ち、自己を過小に評価していた生徒たちの中に、活気と意欲がうかがわれるようになった。いま、放課後の職員室には生徒の姿が絶えない。思い思いに教師を訪れ、ある者は学習の相談を、別の者は進路の相談をしている。自分を向上させ、より良い自己表現を図ろうとする生徒が多くなってきた。これが今回の研究実践のもたらした何よりの成果だと考えている。

生徒の変容を期すのは勿論のことだが、今回の研究では私達教師自身が変わることも目標とした。校内の全部署で総合的に取り組むという研究は、理想的である反面ともすると散漫に陥るのではという危惧はあったが、敢えてその困難な道を選択した。教師一人ひとりの、易きに流れまいとするこの実践から、私達自身の変容を実感できたことはまた一つの大きな収穫であった。

 

2 今後の課題

一年間の研究実践は大きな成果をもたらしたが、私達の選んだテーマは、なお更なる継続を求めている。そこで今後に向けて、私達は自らに次のことを課すこととした。

1) 基礎・基本の定着を図るための指導法の工夫。

2) 生徒の発想を生かし、学習意欲を高める指導法の工夫。

3) 生徒の主体的学習態度の育成。

4) 個に応じた指導法の工夫と、成就感を持たせる授業の実践。

5) 教師と生徒・生徒同士が共感的にふれあい、個性が生き生きと発揮できる授業の創造。

6) 教師の緊密な連携と相互協力。

いずれも粘り強い努力なしには得られぬものであるが、私達は今回の研究を真に実りあるものとするためにも、新たな課題に向かって挑戦し続けようと思う。

 

 

 


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