教育福島0214号(1998年(H10)07月)-023page

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随想

日々の想い

ずいそう

 

自然の大切さ

佐藤昌之

 

っていた私にとっては大変嬉しいことではあるが、喜んでばかりもいられない。

 

休日の遅い朝食を終え、一杯のコーヒーを片手に外の景色を眺めていると、どこからともなく野鳥のさえずりが近づいてくる。我が家の庭先に姿を見せる野鳥の数も、ここ数年の間にやたらと多くなってきたような気がする。四季を通じて、メジロやヤマガラ、カヤクグリ、アオジなどの姿も見かけるようになってきた。学生時代から野鳥に興味を持っていた私にとっては大変嬉しいことではあるが、喜んでばかりもいられない。

数年前といえば、我が家から数キロ離れた場所で、多くの雑木林が国体の会場に姿を変えた時期でもある。それが直接の原因かどうかは定かでないが、少なくとも自然の生態系に何らかの影響を与えたのは事実である。野生動物の数や地下水の流れなども変わってきた。ここ数年の間に我が家を取り巻く自然環境も大きく変わりつつあり、不安を感じざるを得ない。

ところで、いろいろな野鳥の中でも私が毎年一番楽しみにしているのは、晩秋から冬にかけて我が家の庭先に訪れる「ジョウビタキ」である。翼に白い大きな紋があり、尾を上下に振ってヒッヒッと鳴くのが特徴である。この野鳥との最初の出会いは、動植物の写真撮影に夢中になっていた大学二年の冬休みのことである。まだ雪の残る我が家の裏の雑木林で、一羽の野鳥の姿が目にとまった。人なつっこそうなその姿に、私は思わず持っていた一眼レフのシャッターを押していたのだ。

それ以来、冬になると毎年のように我が家の庭先に訪れる。その姿を見るたびに、私は心の中で「生きていたのだなァ」とつぶやく。しかし、鳥類の寿命からすると、ここ数年私の前に姿を見せているジョウビタキは、子や孫の世代になると思う。この野鳥たちを見ていると、「人間はもう少し自然を大切にせよ!」と訴えているような気がしてならない。この野鳥たちのためにも、我が家の周辺の自然だけは大切に残していかなければと考えている。

私が勤務する学区内にも、自然はまだ豊富に残されている。しかし、子供たちを取り巻く自然環境は年々変わりつつある。日々の子供たちとの触れ合いをとおして、故郷の自然を大切にする心を育てたいと思っている。

(原町市立原町第三中学校教諭)

 

『教える』ということ

菅家章一

 

上も前の、スキー学校でアルバイトをすることになった学生時代のことである。

 

それは、十年以上も前の、スキー学校でアルバイトをすることになった学生時代のことである。

指導を始める前に、数日間の講習があったが、初めのうちは退屈に感じていた。自分でどんどん滑

 

 

 


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