教育福島0214号(1998年(H10)07月)-030page

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そして、私も子供たちと一緒にずっと成長していきたいと思います。

(田島町立針生小学校教諭)

 

仕事で自分を磨く

渡部仁一

 

私の友が「中堅の今は、仕事で自分を磨く時だ」と、年賀状に書いてきました。

 

私の友が「中堅の今は、仕事で自分を磨く時だ」と、年賀状に書いてきました。

担任時代は、子供の成長や自分の指導技術の向上を目指し、授業・部活動に熱中していました。子供の姿に一喜一憂し、教師としての醍醐味を味わっていました。子供のため、自分のために頑張ることこそが大切であると思っていましたが、この考えを変える貴重な体験をさせられたのが、昨年秋に行われた本校PTA発足五十周年の記念行事でした。

担任外となった私はPTA庶務として、記念事業にも参画させていただきました。式典内容から出席者、講演者の依頼、寄贈品の選定、記念誌・テレカの発行などの仕事をPTA会長、副会長、校長、教頭を中心にした役員と各学年から選出されたお母さん方の実行委員により進めていきました。物事を決定していく際に根拠を持って勇気ある決断をする会長や大所高所より物事をとらえ、バランスのよいアドバイスをする校長先生をはじめ、人間関係の潤滑油となる気配り上手な方、記念誌発行に手腕を振るう方、式典会場の看板発注から設営の段取りをする方と、それぞれに才能を発揮していきました。また、実行委員を務められたお母さん方の誠実で的確な仕事ぶりには感心させられました。

本校発展に尽力された歴代役員や校長先生、来賓の方々をお迎えしての厳粛や雰囲気での式典と盲目のオルガン奏者大島彰氏による感動あふれるコンサート、そして夜からの祝賀会と、すべてが滞りなく終わりました。この事業に携わった全員が大満足でした。それは、損得を抜きにし、成功を願い、持ち場持ち場で十分に力を発揮できたからでしょう。

私自身、保護者の皆様と一体感を味わい、人の「和」の尊さを実感させられると同時に、裏方の大切さも教えられました。素晴らしい方々に巡り合い、学校や人のために役立てたことで大きな喜びを味わいました。PTA発足五十周年によって、人から学び、人によって支えられ、支え合う、そんな体験ができたのです。学校にとっての節目の事業でしたが、私自身を大きく変える節目の機会ともなったのです。今後も仕事を通して、自分を磨いていきたいと思います。

(会津若松市立鶴城小学校教諭)

 

 

 

 

 


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