教育福島0215号(1998年(H10)11月)-016page

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特集2

 

養護教育の充実3)

共生社会への道支援事業「ふれあいウィング」

ともに生きる社会をめざして

−盲・聾・養護学校、高等学校生徒が米国で体験研修−

養護教育課

 

一 はじめに

 

近年になって、「障害のある人」と「ない人」が別々に生きるのではなく、「ともに生きよう」という考えが、社会全体に浸透するようになってきています。この考え方が浸透するに従い、障害者に対する社会の見方が次第に変わってきています。

学校教育においても同様で、これまで、どちらかというと「障害のある」児童生徒にとって必要と思われていた「交流教育」のとらえ方も変化してきています。

交流教育は、障害の有無にかかわらずに、すべての児童生徒や教員だけでなく、地域社会の人々にとっても、豊かな人間性を育み、社会性を高め、人権尊重の意識を高める上で、有意義な活動であると認識されるようになってきているのです。

 

二 事業の趣旨

〜学校・地域から世界へ〜

 

盲・聾・養護学校では、これまでに、交流教育の推進事業として、「いきいきふれあいフェスティバル(学校を拠点)」や「であい ふれあい サポートプラン(学校から地域へ)」をとおし、養護教育に対する正しい理解と認識の推進を図ってきました。

さらに、本年度からは、前述の事業を基盤としながら、盲・聾・養護学校高等部生徒や高校生を対象として、「学校・地域」から「世界」へと視野を広げることにより、派遣に伴う生徒自身の変容及び自立活動をとおして、ノーマライゼーションの理念(ともに生きる社会をめざす)の浸透に寄与することを目的に、本事業を実施することになりました。

 

三 事業の概要

 

県教育委員会では、(県保健福祉部との共同事業−行政横断型事業−)、本年度から「共生社会への道支援事業『ふれあいウイング』」を実施することになりました。

これにより、平成十年九月八日(火)から九月十八日(金)まで、盲・聾・養護学校高等部生徒四名、高等学校生徒二名、養護学校PTAの保護者一名及び引率教師三名、計十名が、ノーマライゼーションの理念に基づく社会づくりの先進地である米国カリフォルニア州バークレー市等を訪れました。

参加者は、自立生活センター(CIL)や障害者が多く学ぶカリフォルニア大学バークレー校、盲学校・聾学校の見学をしたりホームステイをしたりして研修を深めました。この体験研修をとおして、障害者の自立の実態と自立を可能にする支援体制や社会制度、教育制度等について多くのことを学び、生徒自らの視野を広げました。

提言集としてまとめる「研修の成果」(平成十一年二月発行予定)は、各関係機関等に配付し、ノー

 

「ふれあいウィング」参加者一覧(学校関係)

 

No. 氏名 学校名 備考

1 山崎和洋 県立盲学校 高等部専攻科 2年

2 田中雄喜 県立聾学校 高等部3年

3 渡辺真由美 県立会津養護学校 高等部2年

4 渡邊晃志 県立平養護学校 高等部3年

5 本国かおり 県立光南高等学校 3年

6 蔵野晃子 県立磐城女子高等学校 2年

7 鈴木美起子 県立郡山養護学校 PTA会員

引率 斎藤毅 県立川口高等学校 教諭

引率 生方陽子 県立石川養護学校 養護教諭

引率 高屋隆男 養護教育課 指導主事

 

 

 


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