教育福島0215号(1998年(H10)11月)-017page

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マライゼーションの啓発に生かしていくことにしています。

 

四 主な研修

 

ここでは、『平成十年度ふれあいウィング』事業の一端を紹介します。

 

(1) 主な研修内容

1) 「自立生活センター」

センターの現状と課題、運営状況、自立生活プログラムの体験等

2) 「大学」

学内センターの現状と課題や学生用支援プログラムの体験等

3) 「盲学校・聾学校」

教育システム、方法等の研修

4) 「ホームステイ」

一般家庭における介助システムの研修

5) 「街全体の視察」

教育、一雇用、交通、レクリエーション・スポーツ、建築等、すべての面において障害者も普通にサービスを受けるいわゆるノーマライゼーションのあり方の体験

 

(2) 研修の形態及び研修先

研修は、全体研修とグループ別研修の二形態をとって行われました。(表1)

 

(3) 研修先の概要

ここでは、自立生活センター、カリフォルニア大学及び盲・聾学校における研修について述べます。

 

自立生活センター(CIL)

〜バークレーから始まったCIL〜

 

1) CILの設立主旨

CILとは、障害者に必要なサービスは障害者自身が一番よく知っているという発想に基づいて、障害者自身が主体性をもって運営している非営利団体です。障害者が地域の中で独立した生活を営めるよう、アテンダント(有料介助者)の紹介、自立生活体験プログラムなど多様なサービスを提供しています。

米国最初のCILは、一九七二年、バークレー市に設立され、現在、全米に四百以上あります。

2) CILの思想

障害者の脱施設と自己の主体性確立が主題となっており、次の四点が基本思想となっています。

ア 障害者は、施設収容ではなく地域で生活すべきである。

イ 障害者は、治療を受けるべき患者でもないし、保護される子供でも崇拝される神でもない。

ウ 障害者は、援助を管理すべき立場にある。

エ 障害者は、障害そのものよりも社会の偏見の犠牲者となっている。

 

▲自立生活センターで研修

 

▲自立生活センターで研修

事前研修で学んだことの再確認や多くの質問が出て、予定時間をかなり過ぎてしまいました。

 

3) 自立生活とは

自立生活を送るためには、次の三つの権利の保障が必要とされています。

ア 選択する権利があること。

※ 生活の基本的なことから始まって、障害のある人が全てを選択する権利がある。

イ サービスを受ける権利があること。

 

表1 主な研修先機関等

 

〔9月9日(水)〕 ◇バークレー市のCIL(自立生活センター)訪問(全体)

◇バークレー市関係者からのオリエンテーション

◇障害者の委員会(マンスリーミーティング)に特別参加

〔9月10日(木)〕 ◇カリフォルニア聾学校(フレモント)訪問

◇CTP(コンピュータ技術訓練センター)研修(全体)

〔9月11日(金)〕 ◇UCB(カリフォルニア州立大学バークレー校にて研修)

〔9月12日(土)〕 ◇ホームステイによる自主研修

〔9月13日(日)〕 ◇ホームステイによる自主研修

※ホテルにて(ホームステイの方と)お別れ会

〔9月14日(月)〕 ◇カリフォルニア盲学校(フレモント)訪問

◇ライトハウス(サンフランシスコ)訪問

〔9月15日(火)〕 ◇サンフランシスコ市内体験視察

〔9月16日(水)〕 ◇UCB見学及びバート(地下鉄)乗車体験

◇CAT(科学技術を使うことを学ぶためのセンター)研修

 

 

 


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