教育福島0215号(1998年(H10)11月)-018page
研修アラカルト1「障害者と刑務所」
障害者の権利運動の一つとして聞いた話です。
バークレー市のある障害者が犯罪を犯して逮捕されたが、警察はどうしていいのかわからないので、切符をきって解放しようとしたそうです。しかし、この人は、「僕は刑務所に入る権利がある」と主張し、障害者対応(アクセス)になっていなかった刑務所を管理していたバークレー市を告訴しました。そのお陰で、今では、アクセスのある刑務所となっています。(その人が、本当に刑務所に入ったかどうかはわかりません。)
※ 障害のある人が、社会の中で自立して生きていくためのいろいろなサービスを選択して受ける権利をもっている。
ウ 障害者が自己決定権をもっていること。
※ 障害のある本人が、自分にとって必要なサービスは何かを知っており、それを障害者が自己決定する権利をもっています。
これが自立する上で大変重要な概念です。
4) CILの資格要件
CILは、一九七七年リハビリテーション法により、連邦政府からの補助金が制度化されました。
補助金を受けるためには次の四条件が必要です。
ア 運営委員の五一%は障害者であること。
イ 重要な決定を下す幹部の 一人は、障害者であること。
ウ 職員の一人は、障害者であること。
エ 総合的なサービスを提供すること。
研修アラカルト2「障害者と介護者」
米国では、障害者自身が、自分の介助者を決めることができます。介助人として働きたい希望者がいれば、直接、面接を行い、気に入れば雇うようになります。実際に介助を受けて気に入らなければ解雇することもできます。
しかし、障害者の多くは、介助者を雇った経験がありませんので、大学等に入って最初に受けるサービスが、介助者をいかにして雇うかのトレーニングだそうです。
研修アラカルト3「障害者と遊園地」
ホームステイの好意で、「グレートアメリカ」遊園地に行きました。東京ディズニーランドと同じくらいの規模のこの遊園地では、障害者が利用できないアトラクションは、ほとんどないのです。実際、私たちが希望したものは、全て乗ることができました。
そして、障害者(車いす)の場合、ほとんどのアトラクションを、優先的に利用することができるのです。一般の人が2〜3時間待って乗る人気のアトラクションも同じです。その際、障害者も仲間と一緒に楽しむ権利があるということで、障害者とその仲間は、同一行動をとることができます。
ただし、例外があります。それは、段差や階段がなく、特に車いすへの配慮がなくても大丈夫なアトラクションの場合、障害があっても、みんなと同じく並ばなければならないのです。施設を利用するのにハンディがある場合は、特別なサービスを受けられるが、そうでないものは、みんなと同じであるという「真の平等」を体験できました。
※ 総合的なサービス
a 情報提供と紹介(介助サービス、住宅紹介等)
b ピア.カウンセリング
(同じ障害のある者によるカウンセリング)
c 自立生活技術訓練
d 権利擁護など
カリフォルニア州立大学バークレー校(UCB)
〜D.S.P〜
〜多様な障害に応じたサービスがある大学〜
UCBには、障害のある学生が、大学生活を送るのに必要なサービスが受けられるようになっています。それがD.S.P(Disabled Students Program)です。
1) D.S.P事務所とは
D.S.P事務所は、障害のある学生が様々なサポートサービスを申し込むところで、大学構内にあります。
2) D.S.P事務所の業務内容
UCBで学ぶ約三万二千人の学生の内、D.S.Pのサービスを受けている学生は約九百人います。
これらの学生に対して、十六人の専任スタッフが、サービスを受けたい人とそれを提供する人とのマッチアップをしたり、平等なサービスが行われているかを確認したりする仕事をしています。障害者