教育福島0215号(1998年(H10)11月)-019page
に対しての直接的なサービスは行っていません。
※ 学内には、自分の障害を認識していない人やサービスを求めない障害者も約九百人いるとD.S.P事務所では推測しています。
3) サポートサービスの内容
サービスの内容は左記のとおりです。
ア 通訳
イ 代筆(ノートテイク)
ウ アシスタントテクノロジー(コンピュータからのテキスト文字を読む等)
エ 住居サービス(車いすでもアクセス可能な住宅の紹介)
オ エクステンデッド(テストのとき字を書くのが遅い人をアシスト)
▲カリフォルニア大学バークレー校のエレベーター
エレベーターの床に近いところに操作用パネルがあります。押すというより蹴るという形で使います。もちろん車椅子の人でも楽に使えます。
4) 障害のとらえ方
「障害」のとらえ方が、日本と大きく異なり、学習障害が全障害の約半数を占めています。従って、D.S.P事務所と同一建物に、広い自習室 (Student Learninng Center)が設けられ、特に学習障害のある学生のために、他の学生が個人教授するのに使用しています。
また、学内には、D.S.Pに参加している学生のためのテクノロジーセンターが設けられています。
《障害の内訳》
・学習障害(LD) 44%
※ このうち、8%はADHD『注意欠陥・多動性障害』で増加しています。
・内蔵疾患、慢性疾患 36%
・移動障害(車いす等) 2%
・視覚障害 4%
・聴覚障害 2.5%
・その他 1.5%
※ 右記障害の他にも、コンピュータの打ちすぎが原因となる腱鞘炎も障害と認めています。すなわち、学生生活を送る上で何らかの障害が起こったらそれをサポートするのがD.S.Pなのです。
介助は、手話通訳者のようなライセンスの必要なものから、学習障害に対しての教育経験・知識を求められるものや、特別な資格のいらないものまで様々です。介助費は、15$/1Hで、政府等のエージェンシーから介助員に支払われます。
5) 聴覚障害者に対するサービス
ライセンスを持つ手話通訳者は大学に七人いますが、聴覚障害者に対するサービスは、手話通訳とキャプションの二つあり、聴覚障害者が選択できます。
※ キャプション
リアルタイムの文字変換をいいます。
話す速さとほとんど同時にコンピュータの画面にキーボードで打った文字を表示しています。
音声入力で、画面に文字出力するコンピュータもありますが、現在は、トレーニングを受けた「キャプション」技術者が打ち込んでいます。
カリフォルニア盲学校・聾学校(フレモント)
盲学校
〜点字ブロックがない盲学校〜
生徒数約百三十人(三歳から二十二歳)で、視覚の単一障害は全体の一〇〜一五%で、他は聴覚、知的、身体的な重複障害です。
教師の数は三十七人で、うち、盲人が五、六人います。担任は二十二人ですが、他に十五人のスペ