教育福島0215号(1998年(H10)11月)-023page

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随想

日々の想い

ずいそう

 

選手の涙

高田健一

 

「ピ、ピー」試合終了。県大会出場を懸けた試合が終わった。

 

「ピ、ピー」試合終了。県大会出場を懸けた試合が終わった。

「また、負けた。県大会には行けない」教師としてバスケットボールを教え始め、そんなことが数年続いた。悔しい。正直悔しかった。でも、あまりショックではなかった。落ち込みもしなかった。なぜだろう?

中学・高校・大学とバスケットボールが生活のかなりの部分をしめ、体力や技術以外にも多くのことを学んだ。そして、「子供たちにバスケを教えたい。バスケの楽しさを知ってほしい」と教師を目指した。なのに。

ある年、選手に恵まれ、ようやく新人戦県大会出場を果した。選手に恵まれたとは身長も高く、運動能力も優れている子供たちがそろったということである。県でベスト3、選手も保護者も当然の事ながら大喜びだ。私もとてもうれしかった。

しかし、半年後いよいよ本命の夏の中体連県大会。−一回戦敗退であった。

これはショックだった。信じられなかった。意外な結果に生徒も泣いた。

なぜか。それまでの自分は、生徒を専門の目のみで見て判断していたのではないか。

「ミニバス(ミニバスケットボール)で県大会へ出場していない。経験もなければ、技術も劣り、運動能力も劣っている。体格もよくない。これなら〇〇中学校には負けるだろう」こんな見方をしていたから、結果がよくなくても当然の如く受け止めていたのである。

しかし、選手の涙を見て思った。走る練習をもっとしていれば、持っている力だけで勝負するのではなく、新しい力をつけ、劣っている力を伸ばしてやっていれば。

それ以来、選手を見る目、チームを見る目が変わった。

みんな可能性を秘めた子供たちなんだ。身長が低ければその分足を使えばよい。身長があればなおさら走らせる。より高い目標を達成させるために。

バスケット部の子供に限らず、学級の生徒に対しても同じである。他の指導も同じであろう。今後もこの「選手の涙」を原点に捉え、できる可能性、伸びる可能性に期待して、その可能性を十分伸ばしてやるために努力していきたい。

(塙町立塙中学校教諭)

 

心に残る言葉

小泉尚久

 

私には、心に残っている言葉が三つあります。

 

私には、心に残っている言葉が三つあります。

「人の言葉を疑いなさい」

出張先の講演会で聞いたある先生の言葉です。

 

 

 


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