教育福島0215号(1998年(H10)11月)-024page
その先生は、「人はそういうけれど本当だろうか。別な方法はないのだろうか」と常に考えたそうです。そのおかげで、新しいことを考え出す創造性を身に付けたそうです。
個性が重視される現代において、言われたことしかできない子供が多く、「テレビで言っていたから本当のことだ」と考えてしまうことさえあるという実態を考えると、これは非常に大切なことだと感じました。
身の回りにあふれる情報におどらされてはいけないという警告をいただいたようで、なぜか、なるほどと、心に残った言葉です。
「同じ言葉でしかこたえられない子供たちを変えていくことがこれからの課題ですね」
私の結婚披露宴で祝辞を述べてくださった、尊敬する恩師からの手紙にあった言葉です。式の中で紹介された、私が担任する子供たちから祝福のメッセージに対してのものです。
自分がまったく気づいていなかったことを指摘され、まずはどきりとし、そして感謝しました。
それ以来、自分の学級から「○○さんの意見と同じです」という言葉をなくしました。たとえ同じであったとしても、自分の考えを自分の言葉で言えるように伸ばしていこうと心がけています。
「意地の悪い叱り方をしてはいけない」
以前に勤務していた職場の大先輩から言われた言葉です。
生徒を指導するときは、子供自身が悪いことをしたことを百も承知しているのだから、ねちねちと意地悪く怒ってはいけない、と言われ、自分が生徒だったころを振り返ってみました。どんな怒られ方をして傷ついたのかを思い出しました。そして、今、教師として、たとえ悪いことをしてしまったとしても、生徒を、いや一人の人間を否定するような叱り方をしてはならないと考えています。やったことに対してだけ指導するように努め、辱めを与えることは極力しないよう心がけています。
今、これらの言葉を頭に浮かべがら、私自身も「心に残る言葉を発せるような生き方をしたい」と思います。
(いわき市立久之浜中学校教諭)
家庭教育に思う
影山洋二
PTA活動は家庭環境の違いや教育に対するそれぞれの親の考え方の違いがあって会員全体としてのまとまりや協力体制をつくり出す点では難しい面があります。しかし大きな目的としての「子供の健やかな成長」を願って、活動の筋道を明確にしていけば多くの会員の参加と協力を得られると考えています。
今行われようとしている教育改革、完全学校週五日制の実施等の教育の急激な変化に対し、私たちPTAは、そのねらいと内容をしっかりと理解し、親としての役割とPTAの果すべき役割を明確にしていく必要があると考えています。
幸いにして、私はPTAの役員として、いろいろな教育講演会や地域における各種会合、各種のPTA研修会に参加する機会を得て、意見の交換、討論、情報の収集によって新しい教育の方向や内容について、ある程度理解を深めることが出来たように思います。
しかし、多くの会員は新しい教育への理解が不十分で困惑しているのではないかと思っています。その意味でPTA会員の研修と啓発活動は重要なものになってくると思います。
最近よく聞く言葉に「家庭教育の重要性、家庭の教育力の高揚」があります。この点についてもPTAの担う役割は大きいと感じています。私はこの点について親が親としての自覚をもち、常に子供と自然体の中で接していくことが大切なことではないかと思っています。
朝のあいさつ、朝食を共にする、夕食の団欒、おやすみのあいさつ、子供にとっての安らぎの場、いつでも親が自分を観ていてくれる、気持をわかってくれるなど、ごく