教育福島0216号(1999年(H11)01月)-022page

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自分の思いや考えを生き生きと

表現し、ともに高まり合う

子どもを育てる授業

 

『自分を生かす』を基調とする研究

 

いわき市立平第一小学校

 

はじめに

 

はじめに

 

本研究は、平成八年度よりの現職教育の取り組みをまとめたものである。その意味では、理論研究よりも実践研究を基盤としている。

本校現職教育の特徴は、他の学級が先行した授業の反省をもとに授業の改善を試みるという先行型を基本とした研究授業にある。各学年でこのような先行型による授業実践を国語科・算数科の三〜四単元で実施する。そして、その記録を授業実践ファイルに累積し、教育課程の編成に生かせるようにした。このことにより、現職教育の研究授業が「賽の河原の石」とならないように気をつけている。

基礎学力の向上に向けては、比較思考を取り入れた本時の課題に直結する導入による学習への動機付けと、ノート作りと練り上げによる自分の考えの確立を柱として授業改善に取り組んできた。

 

一 研究主題設定の理由

1 研究の基本理念(省略)

2 本校児童の実態(省略)

3 求める子供の姿(省略)

4 研究主題に込めた願い

研究主題文の前半の「自分の思いや考えを生き生きと表現し」には、次のような思いを込めている。「学習は個に成立する」という考えに立ち、一人一人の児童が、まずしっかりと自分の思いや考えをもつことを重視した。そして、多くの考えがあれば優れた結論を得ることが期待できるからである。

後半の「ともに高まり合う」は、集団での学びのもつ機能の重視を表した。一児童に多面的な見方や考え方を期待しても、それには限界がある。多くの児童に発表の機会を与え、意図した話し合いを行うことによって、初めて高次なものへと練り上げていくことが可能となる。そして、互いの思いや考えを練り上げていく中で「自分はこう考える」を確立し、主体的に自分の考えを生かしていくことによって、児童一人一人が自己存在感を抱くことができると考えた。

 

二 研究の見通し

1 研究の見通し(省略)

2 研究内容

【自分の考えをもたせるために】

(1) 学習意欲や興味関心を高める

教材・教具や、事象提示や課題設定など導入の工夫をすれば、どの子も主体的な学習への取り組みができるのではないか。

1) 比較思考による課題提示

2) 既習事項や体験を用いた導入

3) 教育機器(OHP等)を利用した事象提示

(2) 課題に対してじっくりと考え、まとめる場と時間を授業過程に設定すれば、一人一人の児童にしっかりとした考えをもたせることができるのではないか。

1) ノートの指導(ノート作り)

2) 基礎となる学力と体験の活用

【個々の考え方を発表する機会を保障するために】

(1) 話し合いで一人一人の多様な考えを生かし、練り上げていけば、より高次な考えにいたらせることができるのではないか。

1) 意図的な指名(座席表活用)

2) 安心して発言できる学級の雰囲気づくりと間違えた児童への配慮

【個に応じた指導のために】

(1) まとめの段階で個別の実態に応じた練習問題やプリントを工夫すれば、一人一人の児童に基

 

 

 


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