教育福島0216号(1999年(H11)01月)-028page

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ことに感動した。そして、目の前にいる子供たちのためにも私なりに持ち続けてきた想いを実現させるためがんばっていこうと誓った。

(田島町立檜沢小学校教諭)

 

日本のよさって!?

 

飯島祥子

 

ティをまねたトラッドスタイルと、まさにアメリカナイズされた大学生だった。

 

中学校に入学すると同時に、父親がタイプライターとカーペンターズのレコードをプレゼントしてくれた。その頃から英語に興味を持ち始め、アメリカという国にあこがれた。一生懸命(!?)に勉強し、大学は英文科に入学した。部屋には星条旗をインテリアとして飾り、聞くラジオはFEN、着るものはアメリカングラフィティをまねたトラッドスタイルと、まさにアメリカナイズされた大学生だった。

そして、大学三年生の時、あこがれのアメリカでホームステイをした。ところが「日本ってどんな国?」「どんな歴史があるの?」「日本の国で自慢できることは何?」「日本の政治をどう思う?」聞かれることは、自分が住んでいる国のことなのに、満足な返答をすることができなかった。アメリカ人はといえば、小学生くらいの子供でさえ、自分の国に誇りを持ち、自国のことをよく知っていた。とてもショックだった。このことがきっかけで日本のことを知ろうと思った。

外国へ行くたびに思うことは、どこの国の人々も自分の国を愛し自国の歴史や伝統、そして文化や風習を大事にしているということである。現在の日本は、外国の影響を強く受け、街には髪や目の色、ファッションなど形だけをまねようとする若者であふれ、かつての私がそうだったように、日本古来のものを軽んじる傾向があるように思う。外国のよいところを取り入れるのはもちろん大切であるが、日本のよさも見直してほしい。

私は今、日本の伝統文化を少しでも理解しようと茶道と華道を勉強している。それらをとおして日本の歴史、日本人の奥ゆかしさ、繊細さ、遊び心、他人への心配りや礼儀作法、そして四季があることの素晴らしさなど数多くのことを学んだ。視野も広がった。外国を理解するには、その国の言葉を理解するのが一番とよく言われる。もちろんそれも大切だが、私は日本の国を理解することがもっと大切だと思っている。それが他国を理解する近道であることを、自らの体験からよくわかったのである。

以前よりも、ほんの少し多く日本のことを知った私は、また、あこがれの国アメリカでホームステイをし、今度は日本の国の自慢をたっぷりしてこようとひそかにたくらんでいるのである。

(表郷村立表郷中学校教諭)

 

親友・心友・信友

 

井出しのぶ

 

「親友とは心友・信友である」

 

「親友とは心友・信友である」

高校時代の体育の先生がおっしゃっていた言葉。「心の友」だから心と心が通じ合っていれば、いつも一緒にいなくても心友。「信じ合える友」だから、信頼して何でも話し合えるのが信友。

大学時代の友人Y子とは、初めから気が合うわけではなく、むしろ、その逆。ところが、いつからか人間は一面だけじゃないというあたり前のことに気づいたときから、お互いのプラスもマイナスも受け入れられるようになっていた。そして、お互いの悩みや心配事にも心から耳を傾け合うようになった。将来のこと、家のこと、恋愛のこともよく語り合った。私の父が突然亡くなり、しばらく休んで仙台に戻った日、「一人じゃつらいかと思って」と、アパートに泊まりにきてくれた彼女。優しい気遣いが身にしみるようだった。

大学を卒業し、彼女は実家に近

 

 

 


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