教育福島0216号(1999年(H11)01月)-031page
礎的・基本的な内容の定着を図ることができるのではないか。
1) 十分間のまとめの時間の確保
2) 能力別学習プリントの活用
3) 学習内容の活用の場の設定
三 研究方法
1 授業研究会
授業研究会は、前年度の指導記録の学年検討→授業改善の手だての策定→授業案作成→ブロック検討→学年の他の教員による先行授業→事前協議会→研究授業→事後協議会→実践ファイルへの指導記録の累積という流れで行う。
2 授業実践ファイル(資料1)
授業実践ファイルには、次の記録を累積する。
1) 授業案
2) 事前・事後協議会記録
3) 授業記録(TC表・写真・児童作品・ノート等)
4) その他の資料
四 研究の歩み(研究計画)(省略)
資料1 授業実践ファイル
五 研究の実際
《実践一》(国語科第五学年)「複数の挿絵を用いた比較思考による課題提示の工夫」
1 単元名 人物の結びつきを
『大造じいさんとガン』
2 単元目標・指導計画(省略)
3 本時の課題
「ハヤブナとの戦いに傷ついた残雪を見つめる大造じいさんの気持ちを読み取る」
4 昨年度の指導記録からの反省これまで、国語科の文学教材の読み取りの授業では、単元導入時に児童の初発の感想などをもとに設定された場面ごとの学習課題が、パターン的に提示されることが多かった。言葉による課題提示では、理解力の弱い児童の学習意欲を十分に引き出すことは困難であり、前時までの内容を想起することに、無駄な時間がとられがちであった。また、自分の考えがしっかりともてないまま練り上げの段階に移行したため、一部の児童だけの発言に限られ、十分に深まらないまま終わってしまった。
5 改善を図った学習活動の実際《改善の具体的な手だて》
〇 残雪を仕留めることに執念を燃やす大造じいさんの姿を描いた場面二、三の挿絵と、大造じいさんが傷ついた残雪を前に銃を下ろして見つめる挿絵の提示という視覚的な導入を図った。
(資料2)
資料2 三枚の挿絵での具体的な比較
《改善の成果》
1) 三枚の挿絵の比較という具体的な情報によって、どの児童も「なぜ大造じいさんは、残雪を銃で撃たないのだろう」という疑問をもとに課題把握を行うことができ、主体的な学習への取り組みとなった。
2) どの児童も一人調べでのノート作りにおいて、大造じいさんの残雪への気持ちの変化に着目しながら、自分なりの考えをまとめていくことができていた。
3) 話し合いでは、残雪のただの鳥とは思えない頭領らしい堂々とした威厳ある姿に、大造じいさんが心うたれていることにまで考えが練り上げられていった。
《実践二》(算数科 第六学年)
「比較思考による課題提示の工夫」
1 単元名 比例
2 単元目標・指導計画(省略)
3 本時の課題
「比例の意味を考える」
4 昨年度の指導記録からの反省
「一方が増えると、もう一方も増える」という前時までの学習内容をおさえた上で、黒板に表 Aと表Bの二つを提示した。表Aは、Y=Xという直線的な比