教育福島0216号(1999年(H11)01月)-040page

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養護教育センター通信

 

研修だより

 

はじめに

児童生徒の障害の重度・重複化、多様化がますます進み、養護教育においては一人一人に対応した教育の重要性が叫ばれています。平成十四年度から実施される新学習指導要領では、養護・訓練及び重複障害児を教育する場合には、個別の指導計画の作成が義務づけられ、個に応じた指導のより一層の充実が求められるものと思われます。

一方、子供を取り巻く社会は、障害があるなしにかかわらず、社会の一員として共に生活するというノーマライゼーションの理念の浸透も要因の一つとなり、通常の学級にも障害のある児童生徒が在籍するようになりつつあります。しかしながら、そのような児童生徒に十分な教育的配慮がなされるには、障害に対する正しい理解や教育内容・方法の精選や最適化、施設・設備の拡充など、まだまだ課題が山積しています。

養護教育センターでは、このような現状を真摯に受け止め、児童生徒の日々の学習活動が充実することを願い、教育現場の教職員などが、どのような研修を望んでいるか(ニーズの把握)を探り、ニ−ズに応じたきめ細かな講座を検討実践しているところです。

 

1 専門研修講座の概要

当センターでは、前述のような状況を踏まえ、専門研修講座を開講しています。障害のある児童生徒を担当している教職員などを対象として、養護教育に関する専門的知識・技能、視野の拡大を通して資質の向上を図ることを目的として、今年度は表1のように十六の講座を実施しました。

 

また、研修講座終了後も支援していくフォローアップ講座として年間二講座を設定し、受講者のその時々のエーズに合わせてアドバイスできるよう配慮しています。

さらに、専門研修講座の講義などを広く養護教育に携わる教職員に公開し、専門的な知見を広めるために公開講座を年間四講座設定しました。これにより、全日程への参加が難しい方々も比較的容易に参加できるようにしています。

 

2 受講者の内訳

今年度、専門研修講座を受講した受講者の内訳をみてみますと、図1に示すように、小学校が約三三%、中学校が七%、盲・聾・養護学校が約四一%、幼稚園・保育所等が一九%で、小・中学校と盲・聾・養護学校からの受講者が多く、次いで幼稚園・保育所等の順になっています。

小・中学校の受講者が多い講座は、自閉症児の教育研修講座、学習障害(LD)児の教育研修講座、心理アセスメント実技研修講座、軽度精神遅滞児の教育研修講座です。幼稚園・保育所等の受講者が多い講座は、障害児早期教育研修講座です。盲・聾・養護学校は各研修講座を平均的に受講しています。

視点を変えてみますと、小・中学校特殊学級や通常学級、幼稚園、保育所などの受講者の合計が盲・聾・養護学校の受講者の合計より上回っていることがわかります。

 

図1 専門研修講座受講者の内訳

 

図1 専門研修講座受講者の内訳

 

表1 平成10年度

教職員研修講座一覧

 

a@研修口座名

1 養護教育研究実践研修講座

2 自閉症児の教育研修講座

3 学習障害(LD)児の教育研修講座

4 視覚・聴覚・言語障害研修講座

5 肢体不自由教育研修講座

6 障害児健康・安全教育研修講座

7 障害児教育相談研修講座

8 障害児早期教育研修講座 1班

障害児早期教育研修講座 2班

9 障害児コンピュータ教育研修講座I基礎

10 心理アセスメント実技研修講座

11 障害児コンピュータ教育研修講座II応用

12 軽度精神遅滞児の教育研修講座

13 職業能力開発教育研修講座

14 重度・重複障害児教育研修講座

15 養護教育作業学習実技研修講座

 

 

 


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