教育福島0216号(1999年(H11)01月)-044page
生涯学習INFORMATION
東北ブロック
ユネスコ活動研究大会
福島大会
生涯学習課
十月十七日、十八日の両日、東北ブロックユネスコ活動研究大会が郡山市ビューホテルを会場に、東北各地から三百五十有余名の参加者を得て開催されました。
ユネスコは第二次世界大戦後の一九四六年に「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築こう」という人々の願いが結集されて生まれました。
以来、それぞれの地域で環境保全運動や文化財保護運動、あるいは国際交流・理解や国際識字運動などの活動を積極的に推進しており、福島県では九つの民間ユネスコが地域に根差した活動を展開しています。
この大会は、「地球の美しい環境を維持しながら、真の意味での豊かな住みよい社会をつくり、人類の貴重な文化を後世に伝えることこそ私たちに課せられた最大の使命であり、責任である」ことを趣旨として開催されました。
はじめに「地球環境を考える」をテーマに、東京大学大学院教授石弘之氏の基調講演がありました。
石氏は朝日新聞社勤務時代に世界百十カ国で取材・調査活動をされていた経験をもとに、ここ二十年の間に世界各地で急激な勢いで環境悪化が進んでいることを力説されました。
人間は、ひたすら進歩を求め、能力以上のことを地球に要求しているため、昔はだれも心配しなかった水、空気などをだめにしてしまったということを、スライドを使いながらお話しされ、参加者一同に大きな感銘を与えました。
トークフォーラムでは、石氏をコーディネーターに、屋久杉自然館館長の日下田紀三氏、博士出ブナ林を守る会会長の菅家博昭氏、学校法人佐久間学園理事長の佐久間泰王氏の二人をパネリストに迎え、「地城における環境問題」というテーマのもとに話し合われました。
それぞれの立場から「私たちの生活する地域において、何ができるかを中心に考えてみよう」という提案がなされました。
特に、屋久杉自然館館長日下田紀三氏が自然と人間の共生について、多くの示唆に富んだ意見を述べられました。
環境についての危機感が乏しいこと、身近な自然は、それが地球へとつながっているためいかに大事であるかということも話されました。
二日目はい現在、日本ユネスコ協会連盟として取り組んでいる「活発で魅力あふれる民間ユネスコ運動の創造に向けて」というテーマによる全体討議が行われました。
多くの課題を抱えたユネスコが更に活発で魅力ある活動を創造し、展開するため、参加した各県ユネスコ協会の会員からも活発、かつ建設的な意見が数多く出され、盛会のうちに幕を閉じました。
ユネスコとは
ユネスコとは、United Nations(国連連合)Educational(教育の)、Scientific (科学の)and Cultural(文化の)organization(機関)の頭文字を集めた略称(UNESCO)で国際連合教育科学文化機関のことです。