教育福島0217号(1999年(H11)02月)-026page
特に部活動においては、向上心をもって努力する部員たちと、彼らの健やかな成長を願う保護者、地域社会、学校等々に囲まれながら稽古に励んでいます。
今年度も、そうした部員一人一人のひたむきな努力が報われ、青森県で開催された中体連全国大会で、各地の剣友たちと剣を交える(男子団体ベスト十六)ことができました。
これもひとえに中体連関係でご指導いただいている先生方をはじめ、多くの皆様のご尽力のお陰と、部員共々感謝しています。
これからも、「交・剣・知・愛」(剣を交えて愛を知る)という教えのごとく、多くの方々に多くのことを学びながら、剣道の理念と言われる「剣の理法の修練による人間形成の道」のように、「剣道を通した人間形成」という大きな目標に向かって、生徒と共に汗を流しながら、歩んでいきたいと思っています。
(いわき市立内郷第一中学校教諭)
司書として働いて
高野香里
「司書」と呼ばれる仕事に就くようになって五年が過ぎようとしている。
五年前、大学を出たばかりの私は、高校図書館勤務を命じられ、その後三年間勤務することとなった。仕事に就くのも初めて、その土地に住むのも初めて、高校で働くのも初めて、と初めてづくしのこの三年は、心に強すぎる印象を刻みつけた三年であった。
高校の図書館を利用する生徒は調べものをしたり、本を探したり、本が好きだったりという生徒だけではない。授業での利用も勿論あるのだが、授業の合い間や、昼休み、放課後など、息抜きや気分転換、心のやすらぎを求めて来る生徒の利用も多い。そういった生徒と接するなか、私はこれまで自分が知らずに来たことを教えられたり、感じさせられたり、時に励してもらったりさえした。本を媒介として、生徒ひとりひとりから、様々なことを考えさせられた。
そして、本というものを身近に感じて育って来た私にとって、習慣のように思っていた「本を読む」という行為が、多くの生徒にとって、そうではないのだということを実感として感じさせられた。それは“目からウロコ”の思いでもあった。ただ、本を読まない生徒は、必ずしも「本が嫌い」という訳ではなく、読まず嫌いであったり、たまたまそれ迄身近に本がなかったり、そういう環境になかっただけという事も多い。本との“いい出会い”がなかったのである。私は、本ってこんなに面白かったのか!!と思ってもらえるよう、身近に感じてもらえるよう、敷居の低い図書館にしようと努めた。
現在私は、県立図書館という一般に広く開かれた場所で働いている。足を運んで下さる方々は、調べもの等が目的の大人の人が多い。
学校図書館で働き、県立図書館で働いて思う事は、学校図書館の利用者と県立図書館の利用者は、全く別の人たちという訳ではないのではないかという事である。学校時代に図書館で“いい出会い”をした者は、大人になってからも図書館に足を運ぶようになるのではないだろうか。学校図書館は、ふとした時に図書館に行けば何かあるかもしれない、と足を運ぶ、将来の図書館利用者を育てる場でもあったのではないかと思うのである。
(県立図書館司書)
職業講話
鈴木道夫
戦後最悪と言われる経済不況は、二十一世紀を目指す子供たちの上にも当然重くのしかかっている今日、はたして自分の将来を見