教育福島0217号(1999年(H11)02月)-035page

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具体的な地域ぐるみでの取組みについては、第三章『地域』で何をなすべきか」において、次の(1)〜(4)の観点から提言がなされています。

 

(1) 乳幼児期に養育を行う親や家庭への支援

(2) 子どもたちの豊かな直接体験

−福島県の美しい自然、温かい人情、伝統文化を生かして−

(3) 地域に子どもたちの心安らぐ居場所の確保

(4) 子どもたちの心の声、親の声を聞き逃さない!

−地域における各機関・団体の連携強化−

 

(1)「乳幼児期に養育を行う親や家庭への支援とでは、「心の教育」は乳幼児期から始まることを踏まえ、幼児期において、家庭内での父性原理(厳しさ、規律、鍛錬)と母性原理(優しさ、受容、保護)とのバランスのとれた親子の触れ合いが重要であること等について啓発するとともに、親として子育てを積極的に行うという父親の意識を高める方策を考えることの必要性が述べられています。

 

ても援助が必要なときに手を差し伸べるという姿勢の重要性を強調しています。

 

(2)「子どもたちの豊かな直接体験」では、様々な体験をする機会が子どもたちに不足している現在、多彩な自然体験活動の機会や動植物との触れ合い等をとおして、何ものにも代え難い「生命の尊厳」と「死の厳粛さ」を深く認識させること、自然体験活動の際には、大人は極力メニュー等を示さずに、子どもたちの自主性・企画力・行動力に任せて見守り、どうしても援助が必要なときに手を差し伸べるという姿勢の重要性を強調しています。

さらに、第四章「県・市町村の施策の基本方向」においては、福島県の美しい自然、温かい人情・連帯意識、伝統文化を生かして、異年齢集団の中で子どもたちが多彩な自然体験活動の機会を持つことができるように、これまで以上に、地域の公民館、自然の家等の有効活用を図り、各地域での行事を活発にしていくことが大事になってくること、自分のふるさとや家庭に誇りを持つことができる子どもを育てる地域づくりという視点も重要であることが述べられます。

建議は、「心の教育」に「地域ぐるみ」で取り組まなければならないことを強調し、次の一節で結ばれています。

 

の再構築ということが、今後我々に最も必要とされる課題になるだろう。(中略)

 

−「地域」という視点で考えるとき、うちの子もよその子も分け隔てなく、地域全体の子どもとして地域の人々に意識されるような、地域の人々が共生し、互いに支え合う隣人社会の再構築ということが、今後我々に最も必要とされる課題になるだろう。(中略)

たとえ道のりは遠くても、我々は、そのような「地域」を目指して努力を続けていく必要がある。−

 

(紙幅の都合もあり、建議の内容を十分に紹介できません。A4版15ページの建議は、この一月に県内すべての公立学校と市町村教育委員会に送付しましたので、是非、御一読をお願いいたします。)

 

 

 


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