教育福島0218号(1999年(H11)4・5月号)-007/52page

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た意識として子どもの目線から見通しうる未来意識・見通し意識の形成にもつながる。

私が目にうかべる場面は、休憩時間や放課後に、児童・生徒が先生と共に、相談・談笑している場面であり、さらに授業時に先生と子どもが語りあっている場面である。その場面を含む教育実践のさまざまな場で、子どもと教師は共に未来意識・見通し意識を自己形成していくのである。

ところで今、文部省の教育職員養成審議会(教養審)の答申に指摘されている大学院における現職教育のことが大きな話題になっているが、この話題は、私にとってみると単なる現職教育にとどまらない教員養成の本質もしくは教師のあり方の本質に関わるものとして捉えている。

つまり、未来の教師の養成とともに、現在の教師が真に児童・生徒の未来意識・見通し意識を、共に自己形成しうるような、両者の関係が創りえているのであろうかという問題であり、大学院における現職教員教育は、その問題とつなげる中で捉える必要がなかろうかということである。

この答申では「対象者を公立の小・中・高等学校の現職教員で平成十二年度末に四十歳未満の者とし、平成十三年度当初からその十年後の平成二十二年度末までの間に対象者の一五〜二五%が修士の学位又は専修免許状を取得するものとした場合、この十年間の前半五年間で毎年平均五千入も九千人−」と試算されているが、そのような大量の現職教育の意味を深く捉え直す必要がある。


【著者紹介】

臼井嘉一・うすいよしかず

〔略 歴〕
昭和二十年十月七日生まれ 富山県魚津市出身
昭和四十四年三月 京都教育大学教育学部卒業
昭和四十五年三月 京都教育大学教育専攻科修了
昭和四十五年四月〜昭和五十年三月 法政大学第二高等学校講師
東京都品川区立日野中学校講師
昭和四十六年四月〜昭和五十年三月 東京大学大学院教育学研究科修士課程
在学・修了
昭和五十年四月〜昭和五十三年三月 東京大学大学院教育学研究科博士課程
在学・単位修得
昭和五十二年四月〜昭和五十七年三月 埼玉大学教育学部講師
専修大学文学部講師
昭和五十七年四月〜平成三年三月 福島大学教育学部助教授
平成三年四月〜現在 福島大学教育学部教授
平成十一年四月〜 福島大学教育学部長


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