教育福島0218号(1999年(H11)4・5月号)-010/52page

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各教科、道徳、特別活動の関連を持たせることが極めて重要であるが、その他次の点に留意する。

ア 重点目標(努力目標)達成の観点から教科、道徳、特別活動の目標を設定する。

イ 各教科等の目標を単元や題材の学習活動に反映させる。

ウ 教科等で努力することを児童生徒と話し合い、確認する。


(5) 指導計画の作成

教育目標の具現化を図るため、各学校で編成された教育課程に基づいて、子供たちの学習活動を発展的・系統的に進めるための具体的な計画が指導計画である。

指導計画には、各教科、道徳、特別活動のそれぞれについて、各学年ごとに、指導目標、指導内容、指導方法、使用教材、指導の時間配当等を定める。

作成上の留意点は次の通りである。

1) 地域や学校の実態に即する。

2) 児童生徒の実態に即する。

3) 指導内容を精選する。

4) 各教科や各学年相互の関連を図る。

5) 前年度の反省に基づく。

6) 計画作成のための組織体制を確立し協力連携による作成作業を進める。

7) 弾力性、柔軟性を持つ計画となるよう作成する。


(6) 具体化のための体制づくり

教育目標の達成にもっとも大きな役割を担うのが教職員である。したがって、教育課程の編成に当たっては、教職員の役割を明確にし、一人一人の持つ能力や特性を存分に発揮できるようにするとともに、学校の実情に即した組織を編成することが重要である。同時に、教育目標を具現化し、各学校の教育課題を解決するために校内研修を充実させ、組織を通して相互に自己啓発を行い、教師としての資質を高める体制づくりも併せて求められる。


3 特色ある教育課程の実施

教育課程の実施に当たっては、それぞれの教育活動を、児童生徒一人一人がそのよさや可能性を生かしながら、豊かに生きていくために必要な資質や能力を身に付けていく過程としてとらえ、教師は児童生徒を支援するという指導観に立つことが大切である。

各学校では、次の観点から創意工夫のある指導や評価を計画的に実施するべきである。

1) 新しい学力観に立った学習指導を推進するための工夫
自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力を育成し、主体的な学習の仕方を身に付けさせるには、特に次の点に留意する。

2) 児童生徒の興味・関心を生かし、自主的、自発的な学習が促されるよう工夫する。

3) 各教科等においては、児童生徒が自ら考え、主体的に判断したり、表現したりすることを重視した問題解決的な学習や体験的な活動を積極的に取り入れ指導を充実する。

4) 体験的活動や自主的、自発的な学習は特定の教科にとどまらず学校教育全体を通じて重視する。

5) 全教育活動を通じて指導内容の精選を図り、自主的、自発的な学習、問題解決的な学習や体験的な活動を取り入れるよう工夫する。


(2) 個に応じた指導の工夫
児童生徒一人一人のよさや可能性を生かすことを根底に据えた学習指導を展開するためには、教師は児童生徒の立場に立って学習活動を支援することが必要である。

そのためには、学習指導の全体にわたって児童生徒のよさを生かすよう個に応じた指導を工夫することが大切であり、次の点に留意する。

1) 基礎・基本の確実な定着を図るため、児童生徒一人一人の特性を十分理解し、それに応じた指導方法を工夫改善する。

2) 児童生徒の実態、学校の実態に応じて、指導計画の工夫、教材教具の工夫、学習形態の工夫など創意工夫を加える。


(3) 学習指導の弾力的な展開児童生徒が自分のよさを発揮し、主体的に学ぶ学習活動を実現するには、次のような弾力的な指導過程を工夫する。

1) より効果的な学習の方向や方法に修正していくために複数の展開案を準備する。

2) 学習活動を充実させるための学習形態や意図的な学習の場などを検討しておく。

3) 体験的学習に十分取り組ませたり、学習内容を確実に定着させたりするため指導目標に応じて指導過程を弾力的に展開する。


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